概要
TikTok Ads(広告)はTikTok上へ広告配信し、コンバージョンにつなげるサービスです。TikTokは特に10代〜20代の若年層からの支持が厚く、30代〜のビジネスパーソンが中心ユーザーとなるYahoo!広告やFacebook広告と比べ若年層向け、特にtoC向けのサービス訴求で強みがあるといえます。
TikTok広告も他の広告サービスと同様、ただ無策で資金を投じ続ければ成果が上がるというものでもなく、広告のインプレッション数やクリック数といったデータから日々改善させていく必要があります。このとき重要なのが広告データをただ眺めるのではなく、データを表やグラフといった形式に加工し、データをわかりやすく可視化して分析することが重要です。
このとき他の広告サービスと連携した大規模なデータ分析や、標準のレポート機能を超える高度な分析を行いたい際は、データの高速処理に長けたDWH(データウェアハウス)を別途用意し、そちらへデータを統合、連携したBIツールでデータの可視化を行うという流れが有効になります。そしてこのようなデータ統合に役立つのがETLツールと呼ばれるサービスです。なおETLツールという名称は
E:Extract(抽出)
T:Transform(変換)
L:Load(格納))
の頭文字に由来しています。
ETLについてはこちらで解説しています。
今回はtrocco®(トロッコ)というデータ分析基盤構築サービスを使い、TikTok広告のデータをGoogle BigQueryというDWHへ統合し、TableauというBIツールを用いてデータの可視化を行います。
なお今回データの転送手段として使用するtrocco®は、TikTok広告の他にも、様々な広告・CRM・DBなどのデータソースに対応しています。

ゴール
TikTok広告のデータをこのようにGoogle BigQueryに統合、Tableauで可視化します。
グラフの作成後はtrocco®の機能を利用して自動で最新値に更新します。

こんな人におすすめ
- TikTok広告のレポートをcsvファイルにエクスポートして分析基盤に取り込むのが面倒
- TikTok広告を利用中で、分析基盤やDWHへのデータ統合・ETLを考えている
- Google BigQueryやTableauを用いたデータを分析したい方
1. trocco®︎でTikTok Ads → Google BigQueryの転送自動化
1-0. 事前準備
データの転送のためにはtrocco®︎のアカウントが必要です。
クレジットカード不要のフリープランを実施しているので、事前に申し込みをしておきましょう。
https://trocco.io/lp/inquiry_free.html
1-1. 転送元・転送先を決定
trocco®︎にアクセスして、ダッシュボードから「転送設定を作成」のボタンを押します。

転送元に「TikTok Ads」を指定し、転送先に「Google BigQuery」を選択して「この内容で作成」ボタンを押します。

設定画面になるので、必要な情報を入力していきます。
1-2.TikTok Adsとの連携設定
trocco®には社内のユーザー同士でチームを作成し、チームで転送設定を共有するチーム機能があります。チームの他メンバーにも転送設定の内容がわかるよう転送設定の名前とメモを入力します。

次に「転送元の設定」内の「接続情報を追加」ボタンを押します。

別タブで接続情報の新規作成画面が開きますので、接続情報を入力していきます。

再度転送設定画面に戻り、接続情報の「再読込」ボタンを押すと、先ほど作成した接続情報が選択できるようになります。

これでTikTok広告との連携は完了です。
1-3. TikTok Adsからのデータ抽出設定
取得したいTikTok広告のIDやデータ取得期間を設定します。

以上でTikTok広告側の設定は完了です。
次は転送先のGoogle BigQueryの設定を行っていきましょう。
1-4. 転送先Google BigQueryの設定
「接続情報を追加」ボタンからGoogle BigQueryの接続設定を行います。認証方式としてサービスアカウント(JSONキー)を入力します。Googleアカウントを用いた認証(OAuth)も可能です。

JSONキーの取得方法についてはこちらのドキュメントを参照してください。
「接続情報を追加」ボタンからGoogle BigQueryの接続設定を行い、データベース・テーブル・データセットのロケーションを指定します。

最後に、接続確認が問題なく通るか確認します。

これで入力は完了です。「次のSTEPへ」をクリックして次に進みましょう。
1-5. データのプレビュー
TikTok広告からどのようにデータが取得されるかプレビューが確認できます。
取得したいデータが表示されていなければ再度転送設定画面に戻って設定をやり直します。

問題が無ければ、確認画面に移り、保存して適用しましょう。

1-6. スケジュール・通知設定
「スケジュール・トリガー設定」タブを開き、スケジュールを追加します。

以下のように実行スケジュールを設定することで、転送を定期的に実行し自動化することが出来ます。

また、必須の設定ではないですが、ジョブの実行ステータスに応じてEmailやSlackに通知を行うことが出来ます。

1-7. データ転送ジョブの実行
設定は以上です。最後に手動で転送ジョブを実行し、Google BigQueryにデータを送ります。
手動で実行する場合はジョブ詳細画面の「実行」ボタンを押します。

これで転送は完了です。
2. Google BigQueryの設定
Google BigQuery側で特に操作は必要ありませんが、念の為Google BigQueryのコンソール画面からプレビューを確認するとデータが転送されていることが確認できます。

3. Tableauで可視化
最後にこれらのデータをTableauで可視化していきます。
まずはGoogle BigQueryとTableauの接続設定を行います。
新しいワークブックを作成し、「コネクタ」タブから「Google BigQuery」を選択します。

続いて、接続情報の中からデータの可視化を行いたいテーブルを選択します。

続いて、下のタブの中から「新しいワークシート」を選択し、グラフを作成していきます。

ディメンションとメジャーを選択し、右上の表示形式から適切なグラフを選択することで、グラフを作成することができます。
例えば、日付ごとのクリック数を分析したいときはディメンションに「Day」、メジャーに「Clicks」を選択し、線グラフを選んでみます。
すると、以下のような線グラフが表示されました。

ここから、グラフの大きさや位置、タイトルなどを好みに合わせて編集します。

その他に必要な情報を作成していき、最後に1つのダッシュボードにまとめます。

これで完成です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。trocco®︎を使うことでTikTok広告の管理画面を触ることなく、簡単にデータを取得し、DWH(今回はGoogle BigQuery)に統合し、Tableauと連携したデータ分析基盤が構築出来ました。
trocco®は、ETL/データ転送・データマート生成・ジョブ管理・データガバナンスなどのデータエンジニアリング領域をカバーした、分析基盤構築・運用の支援SaaSです。trocco®について詳しく知りたいという方は、以下より資料をご請求ください。
