概要
Twitter広告はTwitterのタイムライン上に自社の広告を出稿できるサービスです。Twitterはユーザーの選好を分析し、そのユーザーに最適なツイートを表示するアルゴリズムがあり、Twitter広告にもそれが生かされています。
Twitter広告も他の広告サービスと同様にインプレッション数やクリック数といった各種データを分析し、よりユーザーからのクリック、コンバージョンにつなげるにはどうしたらいいかを分析して改善していく必要があります。
このような広告サービスにはデータを分析するためにそのデータの可視化、エクスポートを行うレポート機能がある程度標準の機能として備わっていますが、何千、何万という単位のデータをリアルタイムで分析したい場合や、Twitter広告以外の広告サービスのデータと絡めた高度な分析を行いたい場合は別途DWH(データウェアハウス)へデータを統合、Looker・TableauといったBIツールでデータの可視化・分析を行うという流れが有効ではないでしょうか。そしてこのようなデータ統合に役立つのがETLツールと呼ばれるサービスです。
今回はtrocco®(トロッコ)という分析基盤向けデータ統合サービスを使い、Twitter広告のデータをGoogle BigQueryというDWHへ統合し、Looker Studio(旧:Googleデータポータル)というBIツールを用いてデータの可視化を行います。
なお今回データの転送手段として使用するtrocco®は、Twitter広告の他にも、様々な広告・CRM・DBなどのデータソースに対応しています。

ゴール
このようなTwitter広告のレポートデータから

このようなグラフを作り上げます。またグラフの作成後はtrcco®の機能を利用して自動でデータが更新されるように設定します。

こんな人におすすめ
- Twitter広告のレポートデータを分析基盤・DWHに取り込みたい方
- 分析基盤・DWHにTwitter広告のレポートデータを毎回CSVエクスポートし取り込んでおり、時間の浪費に悩んでいる方
- 様々なデータ取得の作業に疲れている方
1. DWHと同期する手段の選定
1-1. DHWの選定
まずはデータをどこに集約するか、DHW(データウェアハウス)を選定します。
Google BigQuery
Amazon Redshift
- Snowflake
MySQL
PostgreSQL
など
trocco®はいずれのサービスにも対応していますが、今回はGoogle BigQuery
を利用することにします。
1-2. Twitter広告のレポートデータをBigQueryに転送する4つの方法
BigQueryにデータを集約することが決まったので、次は転送するための手段を検討していきます。
1. Twitter広告のレポートデータをCSV形式でエクスポートし、手動でBigQueryにアップロードする。
2. Twitter広告とGoogle BigQueryの各APIを、プログラムを書いて連携する。
3. Embulkを利用し、自分で環境を構築する
4. trocco®を利用し、画面上で設定する。
1 は単発のデータ分析ならともかく、絶えず更新される広告データを手動で更新し続けるのはとてもコストの掛かる運用となってしまいます。
2 はTwitter広告、Google BigQueryのAPIについてのキャッチアップ工数、自前で分析基盤を構築、その後は保守運用とエラー対応などやはり手間がかかります。3 も2 と同様にEmbulkを扱うにはある程度専門知識が必要になります。また自前で環境構築・運用を行う手間が発生し、加えてエラーの内容が少し専門的です。
そこで今回はEmbulkの課題も解決してくれて、プログラムを書かずに画面上の設定で作業が完結する、4 のtrocco®というSaaSを利用します。
2. trocco®でTwitter広告 → Google BigQueryの転送自動化
2-0. 事前準備
troccoのアカウントおよびTwitter広告のアカウントが必要です。
無料トライアルも実施しているので、事前に申し込みをしておきましょう。
(申し込みの際にこちらの記事を見たという旨を記載して頂ければご案内がスムーズです)
2-1. 転送元・転送先を決定
trocco®にアクセスし、ダッシュボードから「転送設定を作成」ボタンを押します。

転送元に「Twitter Ads Analytics」転送先に「Google BigQuery」を選択し、「この内容で作成」ボタンを押します。

設定画面になるので、設定画面から必要な情報を入力していきます。
2-2. Twitter広告との連携設定
転送設定の名前とメモを入力します。

転送設定の名前とメモを入力したら、「転送元の設定」内の「接続情報を追加」ボタンを押し、Twitter広告の接続情報の設定を行います。

データを取得したいTwitter広告の情報を入力し、接続情報を作成します。

2-3. Twitter広告からのデータ抽出設定
これでTwitter広告との連携は完了です。
次に、取得したいTwitter広告のアカウントIDやレポート種別、データ取得期間を設定します。

データ取得期間はカスタム変数を使うことにより、ジョブ実行時に指定の値に置き換えることができます。
以上でTwitter広告側の設定は完了です。
次は転送先のGoogle BigQueryの設定を行っていきましょう。
2-4. 転送先Google BigQueryの設定
転送元Twitter広告と同じ要領で設定していきます。
データセットとテーブルは好きな名前を入力していきます。自動生成オプションを有効にすれば、データセット・テーブルが自動作成されます。
また、カスタム変数を使うことにより、ジョブ実行時に指定の値に置き換えることができます。
Google BigQueryデータセットのロケーションを指定することができます。デフォルトはUSリージョンです。
東京リージョンを指定する場合はasia-northeast1を入力して下さい。

これで入力は完了です。「保存して自動データ設定・プレビューへ」をクリックし、確認作業に進みましょう。
2-5. データのプレビュー
Twitter広告からどのようにデータが取得されるかプレビューが作成されます。
取得したいデータがプレビューに表示されていなければ、再度設定画面に戻って設定をやり直します。

2-6. スケジュール設定
「スケジュール・トリガー設定」タブを開きます。

以下のように実行スケジュールを設定することで、転送を自動化することが出来ます。

2-7. 通知設定
今回の自動同期には、必須の設定ではないですが、通知タイプ・通知条件・通知先を選択し設定を保存することで、EmailまたはSlackに通知を行うことが出来ます。

また、必要な時のみ実行したい場合は、手動で行うことも出来ます。
その場合は、転送設定詳細画面から「実行」ボタンを押下し進めていきます。

3. Google BigQueryの設定
Google BigQuery側での操作は特に必要ありませんが、念の為コンソール画面から確認してみると確かにデータが転送されています。

4. Looker Studioで可視化
Google BigQueryの画面から、「エクスポート > データポータル」を選択します。

以下のようなLooker Studioの画面に遷移します。
試しに、キャンペーン毎のクリック数の日次推移を可視化してみましょう。

以下のようなグラフが出来上がります。
この画面はLooker Studioの「エクスプローラ」という機能になります。
「エクスプローラ」は定期的に閲覧するデータの変化の原因をアドホックに分析する際に使うイメージです。

Looker Studioのトップ画面から、「レポート」を作成し、
上述の通りにクリック数以外のインプレッション数、エンゲージメント数などのグラフ作成を行うと、今回のゴールのTwitter広告のKPIダッシュボードが出来上がります。


まとめ
いかがでしたでしょうか。trocco®を使うことで管理画面を触ることなく、簡単にTwitter広告のレポートデータを取得し、DWH(今回はGoogle BigQuery)へ統合し、Looker Studioでレポートを作成することが出来ました。
trocco®は、ETL/データ転送・データマート生成・ジョブ管理・データガバナンスなどのデータエンジニアリング領域をカバーした、分析基盤構築・運用の支援SaaSです。trocco®について詳しく知りたいという方は、以下より資料をご請求ください。
