概要

Twitter広告のレポートデータを分析する際に、クリック、インプレッション、エンゲージメントデータなどの分析は非常に重要になってきます。しかし、そのような分析を行うには、多くのデータを分析基盤に統合するという手間のかかる作業が待っています。
そこで、今回はTwitter広告のレポートデータをBigQueryにtrocco®を使ってデータを統合し、Googleデータポータル(旧Data Studio)で可視化するまでを行ってみます。

trocco概念図(広告可視化) (2).png

ゴール

このようなTwitter広告のレポートデータから
広告マネージャー.png

こんなのを30分くらいで作り上げます(当然、作ったあとは自動で最新値が更新されるようにします)
data_portal_dashboard.jpg

こんな人におすすめ

  • Twitter広告のレポートデータを分析基盤・DWHに取り込みたい方
  • 分析基盤・DWHにTwitter広告のレポートデータを毎回CSVエクスポートし取り込んでおり、時間の浪費に悩んでいる方
  • 様々なデータ取得の作業に疲れている方

1. DWHと同期する手段の選定

1-1. DHWの選定

まずはデータをどこに集約するか、DHW(データウェアハウス)を選定します。

  • Google BigQuery
  • Amazon Redshift
  • MySQL
  • PostgreSQL など

今回はGoogle BigQueryを利用することにします。

1-2. Twitter広告のレポートデータをBigQueryに転送する4つの方法

BigQueryにデータを集約することが決まったので、次は転送するための手段を検討していきます。

1. Twitter広告のレポートデータをCSV形式でエクスポートし、手動でBigQueryにアップロードする。
2. Twitter広告とBigQueryの各APIを、プログラムを書いて連携する。
3. Embulkを利用し、自分で環境を構築する
4. trocco®を利用し、画面上で設定する。

1. は単発の実行であればよいのですが、定期的な取り込み用途だと毎回同じ作業を繰り返すことになり、非効率な作業になりがちです。
2. はAPIのキャッチアップ工数+プログラムを書く工数+環境構築工数が発生する他、エラー対応などの運用工数も継続的に発生します。
3. も2と同じくEmbulkはある程度の専門知識が必要になり、自前で環境構築・運用を行う手間が発生します。加えてエラーの内容が少し専門的です。

そこで今回はEmbulkの課題も解決してくれて、プログラムを書かずに画面上の設定で作業が完結する、4のtrocco®というSaaSを利用します。

2. troccoでTwitter広告→BigQueryの転送自動化

2-0. 事前準備

trocco®のアカウントおよびTwitter広告のアカウントが必要です。

フリープランも提供しているので、前もって申し込み・アカウント登録をしましょう。
https://trocco.io/lp/inquiry_free.html

2-1. 転送元・転送先を決定

trocco®にアクセスし、ダッシュボードから「転送設定を作成」ボタンを押します。
trocco_dashboard_button.png

転送元にTwitter Ads Analytics、転送先にGoogle BigQueryを選択し、「この内容で作成」ボタンを押します。
trocco_job_definition_select.png

すると、設定画面になるので、設定画面から必要な情報を入力していきます。

2-2. Twitter広告との連携設定

転送設定の名前とメモを入力します。
trocco_overview_setting.png

転送設定の名前とメモを入力したら、「転送元の設定」内の「接続情報を追加」ボタンを押し、Twitter広告の接続情報の設定を行います。
trocco_add_connection.png

データを取得したいTwitter広告の情報を入力し、接続情報を作成します。
trocco_add_twitter_ads.png

2-3. Twitter広告からのデータ抽出設定

これでTwitter広告との連携は完了です。
次に、取得したいTwitter広告のアカウントIDやレポート種別、データ取得期間を設定します。
trocco_twitter_setting.jpg

データ取得期間はカスタム変数を使うことにより、ジョブ実行時に指定の値に置き換えることができます。

以上でTwitter広告側の設定は完了です。
次は転送先のBigQueryの設定を行っていきましょう。

2-4. 転送先BigQueryの設定

転送元Twitter広告と同じ要領で設定していきます。
データセットとテーブルは好きな名前を入力していきます。自動生成オプションを有効にすれば、データセット・テーブルが自動作成されます。

また、カスタム変数を使うことにより、ジョブ実行時に指定の値に置き換えることができます。

BigQueryデータセットのロケーションを指定することができます。デフォルトはUSリージョンです。
東京リージョンを指定する場合はasia-northeast1を入力して下さい。
trocco_screencapture_2.png

これで入力は完了です。「保存して自動データ設定・プレビューへ」をクリックし、確認作業に進みましょう。

2-5. データのプレビュー

転送元のデータがプレビューされます。ここではTwitter広告から取り込んだデータが表示されています。
問題なければ、「設定を完了する」を押下し、スケジュールや通知設定に進みます。
trocco_preview.jpg

2-6. スケジュール設定

「スケジュール・トリガー設定」タブを開きます。
trocco_schedule_and_trigger_button.png

以下のように実行スケジュールを設定することで、転送を自動化することが出来ます。
trocco_schedule_and_trigger_new.jpg

2-7. 通知設定

今回の自動同期には、必須の設定ではないですが、通知タイプ・通知条件・通知先を選択し設定を保存することで、EmailまたはSlackに通知を行うことが出来ます。
trocco_notofication_new.jpg

また、必要な時のみ実行したい場合は、手動で行うことも出来ます。
その場合は、転送設定詳細画面から「実行」ボタンを押下し進めていきます。
trocco_execution_button.png

3. BigQueryの設定

特に設定することありません。データが溜まっているので、今すぐに分析・可視化を行うことが出来ます。
データをプレビューして確認してみます。
bq_screen.jpg

4. Googleデータポータル(旧データスタジオ)で可視化

BigQueryの画面から、「エクスポート > データポータル」を選択します。
bq_to_data_portal.png

すると、以下のようなData Portalの画面に遷移します。
試しに、キャンペーン毎のクリック数の日次推移を可視化してみましょう。
data_portal_instruction_4_detail.jpg

すると、以下のようなグラフが出来上がります。
この画面はデータポータルの「エクスプローラ」という機能になります。
「エクスプローラ」は定期的に閲覧するデータの変化の原因をアドホックに分析する際に使うイメージです。
data_portal_instruction_4.jpg

データポータルのトップ画面から、「レポート」を作成し、
上述の通りにクリック数以外のインプレッション数、エンゲージメント数などのグラフ作成を行うと、今回のゴールのTwitter広告のKPIダッシュボードが出来上がります。
data_portal_top_to_report.png
data_portal_dashboard.jpg

まとめ

いかがでしたでしょうか。trocco®を使うと管理画面を触ることなく、簡単にTwitter広告のレポートデータを取得し、DWH(BigQuery)に貯めることが出来ました。
また、BigQueryにデータを貯めると、データポータルというGoogleの無料ダッシュボードですぐに可視化することが出来ます。
実際に弊社サービスのtrocco®のプロモーションにおいても、セールスのデータやマーケティングKPI等をこのような流れで収集・分析しています。

trocco®ではフリープランをご提供しているので、実際にどのようなことができるのか試してみたいという方はぜひ利用ください。

trocco® ライター

trocco®ブログの記事ライター データマネジメント関連、trocco®の活用記事などを広めていきます!