Data Engineering Study第8回では「BIツール特集-OSS・商用の上手い使い分け」というタイトルで、OSSと商用ツールの美味い使い分けについて学んできました。
今回は王道のBIツールとしてTableau / PowerBI / Googleデータポータル(現:Looker Studio )という3つをピックアップし、勉強していきます。
実際にそのツールを業務で使われている企業の方に事例講演を行っていただきます。
この講演は「BIツール研究所」のSho Maekawa(HN: ウィル)氏をお呼びし、ファシリテーションをしていただきつつ、王道BIツールについて学んでいきます。
業務中でBIツールを扱っている3名の方をお呼びし、「Tableau・Google データポータル・Power BI」の活用事例や魅力について余すことなくお話ししていただきます。BIツールのビジネス活用方法や、そもそもBIツールでどのようなことができるのかを知りたい方には学びの多い内容になっています。
当日の配信の内容は下のリンクからご覧になれます。
Tableau事例講演枠「Tableauで実現するデータドリブンなマーケティングとは」
momo 氏
Tableauの概要と、マーケティングで実際に活用しているTableau事例をいくつかご紹介します。どのような課題に対し、Tableauでデータを可視化しながらネクストアクション・成果につなげているかリアルな活動内容を持ってお伝えさせて頂きます。
ベルフェイス株式会社
マーケター
2021 Tableau Social Ambassador
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まずは、Tableauについて解説していただきました。
Tableauの基本的特徴

momo氏:「Tableauを簡単に表現すると、データの加工と可視化・共有を実現してくれるツールです。Tableauのサービス中で、「Tableau Prep」と「Tableau Desktop」が注目されているツールになっていて、Tableau Prepでデータを準備して、Tableau Desktop(もしくはWeb上)で可視化表現をするのが2つの大きな特徴です。
詳細としては、Tableau Prepはデータの加工・形式変換ツールになっており、SQLに近い処理が可能で、処理工程を都度確認しながら進めることができるのが非常に魅力になっています。 Tableau Desktopのサービスについては操作性に優れていて、脳科学に基づいた可視化表現をサポートしてくれるのが強みになっています。 関数の利用や表決算をはじめ、チャートやカラーもバリエーションが豊富にあるので、デザイン性を重視するような表現がしやすいツールです。」
Tableauのできること

momo氏:「左上がTableau Prepの加工フローを示したもので、計算式を書く加工だけでなく直感的なデータのユニオン・ジョインも快適に行えます。Tableau Desktopは、ウォーターフォールやマップを使ったビジュアライゼーションが可能です。Tableauのいいところは色々触りながらデータを探索できる点だと考えています。」
役割ごとに分かれた3つのライセンス

momo氏:「Tableauには「Creator」と「Explorer」と「Viewer」の3つのライセンスがあります。
Tableau社は、ビジュアル分析を6つのプロセスがあるサイクルで表現しており、それらのプロセスを定義付けしています。
何かしらの疑問・質問(Task)が生まれたら、データの取得(Get Data)を行なって、データを取得した後に課題を解決するためにはどういった可視化が必要なのかを選択(Choose Visual mapping)します。 そして選択されたデータを表示し、フィルターをしながらデータを見たりなどのアクションをとり(View Data)、データを触ってみた結果のインサイト(Develop Insight) の獲得をします。その結果からどのようなアクションをとるかであったり、共有(Act・Share)を行います。
ライセンスは上記6つのプロセスに分けて用意されています。Creatorはデータの質問や相談に関わり、データを取得・アクションに至るまでコミットする必要があるライセンスです。ExplorerはTaskにコミットし、Visual mappingのところからTaskまでをカバーしています。ViewerはTaskにも関わり、用意された分析内容を見るところからアクションまでを担います。3つの形態に分けることで必要な機能や権限をそれぞれに割り振れる形でサービスを提供しています。」
ここからは、Tableauの活用事例についてお話ししていただきました。
Tableauの活用事例①:中期経営計画の形態素分析

momo氏:「Account Based Marketingを行う際はフォーカスするお客様を細かく狭い範囲で決めていき、1人1人のお客様との接点作りと興味度が非常に大事になります。お客様1人ずつのニーズの明確に認識して、高品質なコンテンツ提供が求められますが、顧客ニーズを定性情報のみで認識するには、品質や作っていくコンテンツ数に限りがありました。
そこで、様々なインサイトを得て新しいアイディアとコンテンツ提供ができないかというところで、定量的にも顧客ニーズを得られるデータが必要なのではないかという課題に直面したので、形態素分析を行いました。
顧客企業の中期経営計画資料から形態素を抽出し、それからツールから抽出したファイルをTableau Prepでもユニオンして、Tableau Desktopで可視化を実現しました。作業時間としては約1時間で終わるため、すごくスピーディーにデータの取得とインサイトを得ることができました。」
ツリーマップでの可視化

momo氏:「形態素分析を行ったことで企業名と品質・形態類の粒度で頻出単語を確認できるようにしました。 その結果、企業ごとのトレンドや意識しているテーマが抽出できるようになり、抽出内容からイベントを企画し、接点設定を持ちたい顧客からの申し込みに繋げることができました。
ただ形態素分析した際に、わからない単語ばかりでインサイトが得づらいことがありますが、「品質・形態類」のフィルターをかけることで顧客単位で分析が可能になり、ニーズ傾向を掴むことができました。」
Tableau活用事例②:指名関連の検索句別検索数の可視化

momo氏:「ブランド名関連の検索語句別検索数を可視化することで、施策の影響を評価しました。 日付単位で可視化された棒グラフにキャプションを追加して、CMや広告などの施策をメモし、指名検索数がどのくらい増えたのかを見れるようにしました。
これによって、どれぐらいの影響あったのかやその指名検索数の増減、全体の検索されているキーワードの中で何割を占めているのかが見やすくなって、その内訳も個別に日付単位で見れるようになりました。また本質的な顕在ワードがどれほど成長しているかを評価することも可能になりました 。」
Tableau活用事例③:属性ごとの優先度を視覚的に理解できるヒートマップとリストの可視化

momo氏:「顧客の業界・役職・職種などのターゲット属性ごとに期待できるMRRを割り振って優先度をつけ、どのセグメントが一番優先度・期待値が高いのか、難易度はどれほどなのかを一目で分かるような可視化を作成しました。
機能としてはマウスオーバーすると詳細が見れるようになっているので、顧客の中属性を参照できるようになっています。これにより、施策の影響度を図りつつ迅速な意思決定をミーティング上ですぐできるようになりました。」
Tableau Prepの活用事例

momo氏:「アンケートデータはマーケティングで使うことが多く、アンケートデータの大量ピボットや名寄せなどを手間なく迅速に行えるのがTableau Prepの魅力です。
ビジネスサイドの方は社内で管理されているデータ以外に外部データも扱うことが非常に多く、フィールドを揃えたりといったデータの加工などの前準備が必要になります。準備が必要なものの、意思決定は早めにする必要があるので、短時間で加工できるTablearu Prepは非常に便利です。
例えば、大量かつ同一性のアンケートデータ処理を短時間サポートしてくれる機能があり、自由回答による表記揺れもTableau Prepが自動でグルーピングをしてくれるので、知りたい関連のキーワードの要請を簡単にすることができます。」
また、Tableを活用する上で気をつけるべきことについてもお話ししていただきました。
データを見る人が理解・活用しやすいように

momo氏:「閲覧者の「データ読み取り力」や「活用力」に視点を合わせて、データの見方をサポートするのは必須だと思っています。Tableauは表現が非常に柔軟にできる一方で、様々なところに情報が分散してしまって活用がうまくいかないケースがあります。
データを作って共有するときにデータの活用方法をアドバイスしたり、先に得られたインサイトを使ってダッシュボードを作成してあげることで、Tablearu上でのデータ閲覧・活用を促進することができます。
また、閲覧者が必要とするデータを細かい粒度で認識し、実用的なダッシュボードにすることも大切です。見る人がどのようなデータを必要とするかが深掘れずに、データ準備してしまうと、ビジネスサイド側がダッシュボードを使わずに自分でExcelで加工したり、不用意にデータを結合することに繋がります。それを回避するためにもニーズをできるだけ認識した上でデータを用意してあげることが大切です。」
Tableauを取り入れるべき組織・人とは

momo氏:「 セキュアな環境の上でセルフBIを推進したい組織や、操作しながらデータを探索して短時間でインサイトを得たい人、データの加工や可視化の自由度を高めたい人はTableauを導入することが望ましいと考えています。
ビジネスサイドとしてはTableauのデータに対する自由度の高さに魅力を感じていて、Tableauに出会えたおかげでデータに向き合う手段も増えて、RDBの知識、データ加工や可視化、データストーリーテリングについても学びを非常に深めることができました。」
Tableauを体験したい方はTableau Publicを

momo氏:「 Tableau Publicでは製品の内容を無料で体験することができます。 世界中のダッシュボードを共有できるギャラリーサービスになっていて、登録することでTableauの中身を体験することができます。
組織のデータ環境によりますが、どのレイヤーでも個人のデータ活用を最大させるTableauをぜひ使っていただければと思います。」
Googleデータポータル事例講演枠「Googleデータポータルと仲良くする」
資料はこちらからご覧いただけます。
山田 直史 氏
Googleデータポータルの概要、親和性の高い使い方を紹介します。Googleデータポータルは他BIツールに比べて担える領域が少ない分、周辺技術との役割分担が重要です。具体事例も交えて、どのように役割分担をして有効利用しているかをお伝えできればと思います。
マネーフォワードケッサイ株式会社
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はじめに、Google データポータルがどういったBIツールなのかを説明していただきました。
Google データポータルは使いやすい

山田 直史氏:「Google データポータル(以下、データポータル)は無料で始めやすく、組織外と共有できて誰でもアクセスすることができます。そして変更履歴がついたり、テンプレートとして綺麗なレポートがすぐに使える機能があったり、共同編集で音声だけつないでオンボーディングでレポート作成も手頃に出来るなど、ユニークな機能も搭載しています。
また、GoogleのサービスなのでBI EngineやGoogle AnalyticsなどのGoogleサービスとも馴染んだり、他のツールのUIとも似ているので使いやすいです。」
データポータルの特徴

山田 直史氏:「データポータルは拡張性を高くする為の仕組みとして、様々なサービスのコミュニティコネクターがあり、Google Apps Scriptを使うと自作も可能です。
また、可視化に必要なコミュニティのビジュアライゼーションも用意されてます。デフォルトビジュアライゼーションの仕組みは少ないですが、コミュニティービジュアライゼーションを有効にすると、多様な可視化ができるようになります。可視化についてもJavaScriptで自作が可能です。」
データポータルの活用事例

山田 直史氏:「データポータルにはURL埋め込みの機能があるので、それを活用した「データポータルの中にデータポータルを入れた事例」を紹介します。
株式会社CRISPさんは社内のデータを徹底的にアウトプットしており、レポートが非常に魅力的です。観点ごとにページが用意されているので、一枚一枚にストーリーがあると感じられるお手本となるようなレポートです。」
次に、実際にデータポータルを使い始めるにあたっての流れについて紹介していただきました。
アカウントさえあれば誰でも簡単に活用できる

山田 直史氏:「データポータルを利用するためには、まずGoogleアカウントを作成する必要があります。アカウントさえあれば、データ・グラフを追加して共有する事が可能になります。
まず最低限やらなきゃいけないのは、ヘルプからチュートリアルを見ることです。チュートリアルには様々なデータを追加する方法が載っているので、オンボーディングの形でスムーズに誰でも使っていただけると思います。」
テンプレートによってダッシュボード作成も簡単に

山田 直史氏:「データポータルは、データの追加やグラフの作成が簡単に出来ます。またテンプレートも充実しており、自分の手元にあるGoogle Analyticsのデータを接続してレポートをコピーするだけで、レポートを作成する事ができます。手軽にレポートを埋め込むことができるので、様々な方に素早く使っていただく事ができます。」
ここで、BIツールの選定方法について紹介していただきました。
ツール選択にはレポートの寿命”が重要

山田 直史氏:「データ分析をする際には色々なツールの中から選ぶ必要がありますが、個人的にはレポートの寿命によって使うべきツールが変わってくると考えています。レポートの寿命が短いものはBigQueryやスプレッドシートで一時的に可視化・調査する際のニーズが高く、比較的長いスパンのデータの場合は、データポータルや有償のBIツールが選択肢に入ってくると考えています。
データポータルの方が有償BIツールに比べて、チームのライフサイクルに合わせて選定される技術なので、有償BIツールに比べると短い寿命のレポートを作るのが望ましいと考えています。」
マネーフォワードがデータポータルを利用する理由

山田 直史氏:「マネーフォワードがデータポータルを利用するのは、アクションする人が作って共有できるからです。ストーリーがしっかりしているレポートを作るのは難しいですが、データポータルではアクションを取る人がレポートを作れるのが大きな魅力です。
各チームがBigQueryのデータを参照したり、アプリケーションをコネクターから直接参照してレポートを作るなど、各チームごとのライフサイクルに合わせてレポートのライフサイクルも動いていきます。これが可能な理由は、データポータルがシンプルで使いやすいためです。また、GoogleのサービスであることからGoogle Workspaceで権限管理できるのでアカウント管理が分離しないという魅力もあります。」
データポータルでPDCAサイクルが加速化

山田 直史氏:「データポータルはシンプルであることから、レポートを作る人と見て行動する人が一致させることができます。レポートを作る人と見て行動する人が異なってしまうと、PDCAサイクルの中で依頼するチームと作成するチームの2チームが存在してしまうので、PDCAとうまくフィットしたレポートを作成するのは難しくなります。
そのため、マネーフォワードとしては各チームでレポートを作成し、各チームのPDCAサイクルに合わせるためにデータポータルを選定しています。 」
データポータルを本格的に利用する際の障壁・工夫について解説していただきました。
データポータルはデータ変換に向いていない

山田 直史氏:「データポータルはデータ変換できないので、データ変換はBigQueryや他のDWHに委譲させる必要があるので、DWHとの関係構築が欠かせません。関係構築を行った上で、よく使われるクエリやビューを統合して分析用のデータモデルをモデリングして、それを社内の資産とする工夫をしています。」
権限管理の障壁

山田 直史氏:「権限管理はGoogleグループ単位で共有でき、共有の対象は閲覧者・編集者で分けることでできるに加えて、リンクを知っている人やインターネット上誰でも検索・閲覧などの様々な設定が可能です。自由度は高いですがGoogle Workspaceで制限をする必要があるなど、一定のコストをかける必要があります。
また、バイネームで共有してしまうと、その人の移動した際にチームのライフサイクルと全く異なってしまうので、グループでの共有を推奨します。」
データリテラシーを持って共有範囲を設定する

山田 直史氏:「もう1つオススメしたいのが閲覧者の認証情報で、データソースと権限を合わせることです。データポータルからスプレッドシートにアクセスする際に、データの認証情報をオーナーか閲覧者から選択できます。表示しているレポートはGoogleの認証を必要としてないので、各個人が持ってるGoogleのアカウントでスプレッドシートにアクセスすることができます。
誰でもアクセスできる機能があると、レポートは壊れやすくなります。その一方でBigQueryの方で権限管理されてる場合は、そちらの権限管理に合わせて、もう叩けないクエリは見れない状況にすることができるので、レポートの方の権限管理が難しかったり、BigQuery側で権限管理を徹底する際はこちらのやり方がおすすめです。
また、レポートのオーナーや編集者が共有範囲設定できてしまうので、データリテラシーに対して企業として取り組んでいく必要があります。」
利用し続けることを念頭におく

山田 直史氏:「シンプルでチームと同期して作れることをメリットとして挙げましたが、チームと同期しない使い方でも利用をし続けるためには工夫が必要になってきます。 作る人と使う人が異なる場合は、Google Analyticsのレポート設定の「GoogleアナリティクスID」から設定します。設定することで閲覧数などの情報を読み取ることができます。
これによって、レポートが使われているかどうかを把握できるので、使われてないものを捨てやすくなったり、使われるレポートと使われないレポートの違いを把握してアクションに繋げることができます。
また各ページを作り込みすぎないことを意識する必要があると考えています。最初から作りこんでそれを維持したり、ライフサイクルが長いものについては、編集者をさらに限定できる堅牢なツールやデータモデルを厳格に使えるようなBIツールを使う方が良い可能性があります。」
データポータルからの切り替えは

山田 直史氏:「いつ有償BIツールに変更するかを検討するためには、仮説を常に持ってニーズの変化を検知する必要があります。Biツールは誰かに行動を促すために可視化するためのものなので、誰にいつどんな行動を促したいかが変わるフェーズがあると思います。
これを検知するために、様々な仮説を持って社内にアンテナを張り続け、ニーズの変化をキャッチしたら最適なツールを組み合わせて使うことが必要になります。」
最後に、今回の内容をまとめていただきました。
山田 直史氏:「データポータルはシンプルでかつ拡張可能な良いとこどりの可視化ツールで、運用まで考えて使うことで強力に支援してくれるツールになので、どのように運用していくかをしっかり考えていく必要があります。そして、誰にどんな行動を促すのかに応じてBIツールを選定していくことも重要です。」
Power BI事例講演枠「Power BIあれこれ」
出典:石川陽一氏、「Power BI あれこれ」、https://speakerdeck.com/ishiayaya/power-bi-anythingより
石川 陽一 氏
Power BIでは、どんな風に、データの準備、モデリング、視覚化、共有ができるの?といったことについて、デモも交えて紹介します。
Microsoft MVP受賞
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これまで扱ったBIツールについて紹介していただきました。
Power BIとの出会い

石川 陽一氏:「2014年からTableauを利用し、2018年からはDOMOを利用していました。Tableauは利用は続けていますが、利用数はかなり減っています。会社が金融であることからオンプレでサーバー立ち上げまでは行いましたが、数ヶ月に1回のペースでTableauをバージョンアップしていく必要があり、ついていくことが出来ずに古くなってしまいました。また、アカウントのライセンス管理を厳しくやっていくのはコストが大きくなってしまいました。
そんな中2019年からMicrosoft 365本格的に全社的に活用していくことになり、Power BI Proのライセンスも含まれていたので、活用していく形になりました。」
ここからは、実際に石川氏が作成されたレポートについて解説していただきました。
イベント一覧をダッシュボードに

石川 陽一氏:「Microsoft主催のイベントのセッションで発表した資料になります。例えば、レポートの大型イベントの一覧になると、セッションの検索やカテゴリー等が出てきて情報が多く、知りたい情報に得るまでに時間がかかることがあります。
そこで、Power BI MVPである清水氏がイベントセッションのダッシュボード化をされていたので、模倣してダッシュボードを作成しました。スライドをすぐに確認できたり、イベントのYouTubeを閲覧することできます。」
索引をPower BI化して検索可能に

石川 陽一氏:「知り合いの方が本を出版されたので、用語集のページ索引が合っているかなどの構成を把握するために、索引をPower BI化しました。用語を検索できるようにしたり、難しい用語がある際にはGoogleの検索にすぐ飛べて、検索に引っかかりやすいように補足用語も入れる工夫もしました。また、Word Cloudでよく引用されているところは字を大きくしたりしました。」
金融庁 システム障害レポートをより見やすく

石川 陽一氏:「金融庁が金融機関のシステム障害レポートを出して、注意喚起や情報シェアを行なってくれています。PDFには業態やカテゴリー等の区分けは書いてありましたが、検索性がなかったのでテキストのマイニングみたいなものでPowerクエリ等を使ってデータの作成・可視化を行いました。これによって、レポートが知りたい情報に辿りつきやすくなったり、形態解析を行なってWord Cloudにすることも可能です。」
コロナ感染者数の推移を示したダッシュボード

石川 陽一氏:「町田市のホームページでは直近数ヶ月しか感染者数の情報がなかったり週次更新のものが多かったので、ピークが分かりやすく見えるように、データを取得・入力する仕組みを作り、Power BIで公開しました。」
ここからは、Power BIを使う一連のデモを行なっていただきました。
デモの内容はこちらからご覧になれます。
Data Engineering Studyのダッシュボード作成

石川 陽一氏:「今回は、Data Engineering Studyのダッシュボードを作成します。connpassのJSONで書かれたデータをAPI経由で取得して、Power BI Desktop上でURLを引っ張ります。取得したデータをjson.documentというM言語で引っ張ると、10個のレコードを持ったテーブル形式で保存できます。
次に、解析に必要な項目だけを選び解析の機能を使うことで、日付だけをとってくる選択する形にします。それぞれタイトルを記入したり値のクリーニングをしてきれいにします。
キャンバス上では、データの中身を見た上でモデリングを行います。日付テーブルは内部的にも自動で持っていますが、自分でカスタマイズすることもできます。自分でカスタマイズして作成した日付テーブルは明示的にマークすることで、右側のDateというところにマークがつきます。 多対一のリレーションの形にします。」
ビジュアルを整えてより見やすく

石川 陽一氏:「書式・フォントを整えたり、色合いを選ぶなどしてビジュアルを整えていきます。1個書式を作っておけば、そのビジュアルをコピペして複製することが出来ます。
棒グラフを作成したら、データのラベルを貼ったり無駄な情報はなるべく減らして整えていきます。また各回の詳細にホームページのリンクを貼りたい時は、フィールドを選んでデータカテゴリーから「web URL」として、URLアイコンを選択すると見やすくなります。テキスト検索も作成することができ、タイトルで検索することがダッシュボード上で出来ます。」
ダッシュボードをwebサービスに発行する

石川 陽一氏:「今作成したダッシュボードをPower BIサービスというwebサービスに発行します。無料でPower BIサービスのアカウントは作成できますが、同じ組織の人に共有するためにはPower BI Proの有償サービスが必要になります。Webサービスに発行することでブラウザ内で見ることができ、インターネット上に公開することも可能です。
また、権限は同じ組織で使う場合は365 のオンライン版を使っている会社だと、そこの中のマイクロソフト365グループで権限付与が可能で、Teamsなどの権限管理と同一的に扱うことができます。」
最後に、本日の内容をまとめていただきました。
石川 陽一氏:「本日のデモの内容は無料のアカウントで出来るので、気になる方は導入してください。また、細かい部分になりますが日付テーブルは手動作成がおすすめしています。日付テーブル作成についてはQiitaの記事で、そしてデモで作成したダッシュボードはこちらから確認することが出来ます。」
過去のData Engineering Studyのアーカイブ動画
Data Engineering Studyは月に1回程度のペースで、データエンジニア・データアナリストを中心としたデータに関わるすべての人に向けた勉強会を実施しております。
当日ライブ配信では、リアルタイムでいただいた質疑応答をしながらワイワイ楽しんでデータについて学んでおります。
過去のアーカイブもYoutube上にございますので、ぜひご覧ください。