今回の翻訳記事は、あなたを少しドキッとさせるかもしれません。なぜなら、世界水準でのあなたのレベルがわかってしまうからです。

誰しもが、できるだけ高い市場価値を手に入れたいと思うからこそ、目を海外に向けてみてはいかがでしょうか?今回は、データに関する5つの職種をご紹介しつつ、米国でのそれらの職種の平均年収についてお伝えしていきます。

自分に合った職域で働きたい、金銭的余裕も手に入れたい、海外で働いてみたい、そんな方におすすめの記事です。2回にわたってお届けします。平均市場価値が最も高い職種はどれだ!ぜひ、ご一読ください。

本記事は、trocco®︎ Advent Calendar 2022の 11日目です。

目次

推奨される読者

  • データ職として収入をアップさせたい方
  • 海外と自分の年収を比較してみたい方
  • どの職域が自分に向いているのか可能性を探りたい方


本記事は、Seattle Data Guyのこちらの動画を許諾のもとで書き起こし、邦訳したものです。

※ USDから円への換算は、翻訳時点の1USD=139円で計算しています。また、解説されている年収の情報は動画が投稿された2021年10月時点の情報です。


前置き

Ben Rogojanこと「シアトルデータガイ」です。みなさん、こんにちは。

今日は、「仕事」について話をしたいと思います。仕事の話といっても僕はどこかの公職選挙に立候補しようとしているわけではないので、そういう意味で仕事の話を持ち出したわけではありません。

データに関する仕事」について話をしたいと思っています。
データに関するどんな仕事に対して高い需要があるのか、それらの職種が行う業務は何か、どれだけ年収を稼ぐことができるのだろうか?といった点についてお話ししていきます。

特にデータアナリストからML(機械学習)エンジニアといった職種にフォーカスしていきます。非常に幅広いスキルと年収レンジが登場します。そして、もしかするとどの職種が一番あなた向きなのかについてもイメージできるかもしれません。

結局のところ、僕が最も多く語るのは年収(サラリー)についてです。しかし、僕はこう考えています。給与明細も大事だけれど、自分がやっている仕事が本当に好きなのかということも非常に大切だと。

もしあなたがトップレベルのデータアナリストやMLエンジニアなら、結果的にあなたはそれなりの金額を稼ぐことになるでしょう。高レベルの貢献を個人単位で行ったり、チームのリーダーやマネージャーになる可能性があり、その場合、給与はさらに跳ね上がります。

しかし、もしあなたが自分の仕事を好きでないとか、飽き飽きしているとか、パフォーマンスが出ないといった状況なら、あなたは理想より不幸に感じるかもしれないし、理想よりも低い給与で働き続けることになるかもしれません。

それでは、今後数年にわたって需要が高い、データに関する職種を紹介していきます。


本論

データアナリスト

仕事について

2020年の世界経済サーベイによると、データアナリスト、データサイエンティスト、ビッグデータスペシャリストはデータ関連の職種として、最も高い需要があると分類されている。

そこで、「データアナリスト」から説明を始めたい。
年収規模はもちろん、業務内容についても解説する。

まずは、データアナリストだ。名前が示すとおり、データアナリストはデータを分析する職種だ。つまりこれは、データベースに関係する作業、SQLでクエリを記述する作業の他に、PowerBIやPowerQueryといったツールを使ってデータを編み合わせて、何かしらのダッシュボードを生成する作業を行うことを意味する。結果として、これらの作業からビジネスにおける問題/課題に対する答えを導くことが目的となる。

ダッシュボード上で何かしらの指標を管理することで、一定期間に渡って複数のKPIを比較することができる状態を作り出し、ビジネスがより良い決断を下すことができるようにサポートすることが求められる。
アドホックな分析を行い、マネージャーが抱えている特定の課題に対して簡単な考察を加えたり、または追加で分析を行い、新しい事業機会を発掘して事業のイニシアティブをとれるようにサポートする。データアナリストはこれらのことを、データのスライシング、ダイシング、分析によって実行可能にする。

データアナリストが使用するツールは急速に変化している。データアナリストが使うツールの例を挙げると、Excelベースでの分析からRやSQLを使った分析まで幅広く取り入れたケースがある。彼らは課題に対して可能な限り様々な手段を使って回答を探す。

結論として、データアナリストは単に特定のツールを使いこなすエキスパートというよりも、ビジネス課題に対する回答を探索し、その課題に対する意思決定をサポートする役目を担っている。
どうやって回答に至るのかは、それぞれのデータアナリスト次第だ。Excelのピボットテーブルを使うのか、Pythonでデータをピボットするのか、結果的に出てくるものに大差は無い。アドホック分析を実行している点では同じだ。

当然出てくる議論として、分析を繰り返す必要がある場合には、コードを書く方が利便性に優れているという主張がある。しかし、本当にそうかは怪しいところもある。

年収について

では、数字の話に移ろう。

データアナリストの年収についてみてみると、非常に幅が広いことがわかる。
40,000USD(約556万円)から始まり100,000USD(約1390万円)に至るまで、個人的に様々なレンジをみたことがある。

米国のウェブサイトsalary.comでは、最も一般的な数字を見ることができると思う。このサイト上では、データアナリストの平均年収は68,000USD(約945万円)から87,000USD(約1209万円)の間と示されている。
もちろん、仕事のレベル、どの州で働いているか、どの企業で働いているか、諸々の要素が関係してくる。

ビジネスアナリストについても調べてみたが、年収は同じくらいのレンジのようだ。同じsalary.com上では、70,000USD(約973万円)から87,000USD(約1209万円)と表示される。

以上から、あなたがデータアナリストよりビジネスアナリストとして働くことに興味があると考えている場合、職種によって年収はそれほど左右されないと思われる。さらに、これら二つの職務内容には重なる領域も多く存在している。

それでは、平均的な年収ではなく、はずれ値である「FAANG」(Facebook、Apple、Amazon、 Netflix、 Google)のようなレベルの企業ではどうだろう。NetflixやAmazonのような企業のデータアナリストを見ると、平均年収で最低でも100,000USD(約1390万円)くらいだと思われる。

こうした企業は、確かなデータ分析のスキルに対して6桁USD(X千万円台)の年収を支払う意志があるということだ。

僕の見立てでは、これらの企業はあなたにSQLのスキルを要求するだろう。他の企業では、この要件についてはもう少しゆるい可能性がある。

僕の個人的な意見だが、Amazonは特に、多くの職種においてSQLを重要視している。
データエンジニアであろうが、データサイエンティストであろうが、SQLを使って仕事をすることが期待されている。僕の友人がAmazonでインターンをやった際に、SQLが身についたという。彼らは金融系の人材で、Amazonでファイナンスアナリストになった。膨大な範囲のSQLをとても迅速に身につけなければならなかったという。なぜならそれが要求事項だったから、ということだった。


データエンジニア

仕事について

高い年収がつくポジションには、通常高い技術力が期待されるものだ。しかし、先ほど見たように、データアナリストの世界では6桁USDの年収は不可能ではない。

次に見るのは、僕のYouTubeチャンネルがフォーカスしている職種だ。そう、データエンジニアの職務と年収について見ていこう。

データエンジニアの仕事についてあまり詳しく無い方のために解説すると、データエンジニア(僕を含め)の仕事は大半何かを作る仕事だ。構築したデータパイプラインのメンテナンスを含むデータインフラストラクチャのマネジメントは、その最たるものだ。サードパーティーの提供するサービスや外部のデータソース等を含む多様なデータソースからデータを抽出したり、オンラインの情報をスクレイピングしたりする。そして、取得した情報が中央化されたストレージシステムに運び込まれる仕組みを構築する。このストレージシステムには、例えばデータウェアハウス、データレイク、あるいはデータレイクハウスといったものが挙げられる。

最終的にこれらのデータインフラは、データアナリストやデータサイエンティストが効果的に使用できるような、核となるデータセットを作り出す。

我々データエンジニアは、こうした最終目的のためにPythonやローコードのソリューション、ドラッグアンドドロップソリューションなどを使用するし、さらにSnowflakeやBigQueryといったデータウェアハウスやデータベースシステムを駆使する。結果的に、中央化されたデータのレポジトリを整備し、データ分析を実行できるような環境を整える。

データエンジニアが担当する領域としては、システムデザイン、プログラミング、自動化、データモデリングといったものが含まれる。追加の役割を担うこともある。

つまり、データエンジニアの業務は非常にテクニカルなものだ。ローコードソリューションを使用していようがいなかろうが、それに変わりはない。
ユーザーにとって最適であり、かつビジネスに必要なデータを全て蓄積しておくためにはどのようにテーブルが整っているべきか、といったようなことに日々心血を注ぎ込んでいる。

年収について

salary.comによると、データエンジニアの平均年収は90,000USD(約1251万円)から130,000USD(約1807万円)だ。50%目あたりの平均レンジでこの金額ということだ。

しかし、この職種にも当然究極のケースは存在する。例えば、H1Bデータのサイトを見てみると、H1Bビザを申請して米国で働くような人物像の職種と年収についてイメージすることができる。この場合、データエンジニアは年収130,000USD(約1807万円)や150,000UDS(約2085万円)といったレンジ以上を稼いでおり、180,000USD(約2502万円)に至ることもある。しかもこれは、ストックオプションを抜きにした価格だ。

そして、AmazonやUber、Nexflixといったトップ企業においては年に250,000USD(約3475万円)といった金額を簡単に稼ぐことができると思われる。

しかしながら、これらはテクノロジー業界で最も利鞘が大きく、常勤雇用の従業員に関するもの以外で発生するコストを低めにおさえられる企業の話だ。こうした企業は比較的容易にビジネスをスケールすることが可能で、年俸250,000USDのエンジニアを追加雇用したとしても痛くないだけの資金を獲得することができる。

都市によるところもあるが、100,000USD(約1390万円)から150,000USD(約2085万円)といったレンジがより現実的だろう。いくつかの例を挙げてみよう。

  • Data Engineer (NY) $121,938
  • Senior Data Engineer (NY) $128,088
  • Big Data Engineer (NY) $130,674
  • Senior Data Engineer $134,708
  • Data Engineer $112,493

上記は、あくまで平均年収だ。そしてこの動画がYouTubeで公開されている時点では、ほとんどの米国人は6桁の年収を稼ぐことはないという事実を述べた動画を、僕は追加でYouTubeにアップしているかもしれない。6桁の年収を稼ぐのはトップ10%にとどまる。従って、あなたがもし年100,000USD(約1390万円)を稼いでいたら、既にそのトップ10%に入っているということだ。

しかし、130,000USDと250,000USDの間には、概ね2倍の差がある。これには、あなたが住んでいる都市が要因として関係してくる場合がある。

例えば、あなたがベイエリア(サンフランシスコ)に住んでいて、年250,000USD稼いでいるとしよう。家賃を支払うことには困らないだろうが、家を購入するには長い時間がかかるだろう。このエリアでは最もお買い得な水準の家でさえ百万ドル(約1億3900万円)以上する。そしてあなたは既に30,000USD(約417万円)を家賃として支払い続けている状況にある。

そして、居住地が実際に影響してくる例として、Netflixのような企業は遠隔地で生活費がそこまでかからない地域に住んでいる場合、低めの年収を提示してくる可能性がある。

そこで、もし僕があなたなら高収入を得ようということには固執しない。居住地によっては高収入を得ている人々よりも生活費を低くおさえておくことができるからだ。

改めて、僕はまず平均値に焦点を当てたい。外れ値はその次だ。なぜなら新聞は外れ値を取り上げて「これだけとんでもない額を稼げるよ!」と書いていたりして、それはそれで素晴らしいことだと思うが、何が適正(標準的)なのかということについて人々が目を向けなくなってしまう場合もあるからだ。

最後に (翻訳者から)

いかがでしたでしょうか。第一弾では、米国でのデータアナリストとデータエンジニアの職種と年収について解説しました。

正にデータによって成長してきたFAANGのような、グローバルサービスを展開するビッグ企業のバックボーンを提供できる職種である点で、データに関わる仕事は非常に魅力的だと思います。その企業のサービスについての「信頼」や「ファンを大量生産する魅力」を基礎づけているものこそ、データアナリストやデータエンジニア、そしてこれからお伝えしていく職種だな、と思いました。
米国での年収も、日本の平均年収に鑑みると、就職後に明るい未来を想像できる職域のように感じます。(専門性って強い!)

米国で働く際に、語学の壁を感じてしまう方もそれなりにおられると推察します。そうした場合、グローバル展開をしつつ日本語でのサポートも手厚いサービスを業務に取り入れることで多少の不安が取り除けるのではないでしょうか。

trocco®︎は日本発のデータマネジメントSaaSながら、日英多言語に対応しており、世界中どこでもご活用いただけるサービスです。海外で第一線を走るデータエンジニアの方からも「わかりやすいGUI」とフィードバックをいただいており、異文化の障壁を超えてデータエンジニアやデータアナリストチームの生産性を向上できるツールです。
ぜひご興味がございましたら、無料のトライアルにて触ってみていただけましたら幸いです!

次回は、米国でのデータサイエンティストとML(機械学習)エンジニアの職務と年収について解説します!人気のAI関連職種が遂に登場します。その職域や年収は、あなたの想像に合致しているでしょうか?
ぜひ次回をお楽しみに!

今回の記事は以上です。Have a Happy Data Engineering Day!!


Credit: Seattle Data Guy (https://www.theseattledataguy.com/)
Thanks for letting us transcribing and translating this video!

Coordinated by: Brett Torenvlied of primeNumber, Inc.

Hiromi Saito

PrimeNumber, Inc. / Marketing Divison/ Born in Tokyo, raised in Tokyo, stuck in Tokyo. Have lived in Arkansas, California, and Paris. Speaks Japanese, English, and a little bit of French. / マーケティングの中の人。サッカー大好き人間(DF)。