こんにちは。primeNumberマーケティングチームの齋藤です。
本日は、翻訳記事『米国で需要の高い5つのデータ職と年収』の後編をお届けいたします!

前回は、米国におけるデータアナリストとデータエンジニアをとりあげ、その職務内容と年収について見ていきました。
後編との比較を兼ねて、ぜひ前編記事もご一読いただけますと大変幸いです。

前編の記事はこちら。

さて、本日はデータサイエンティスト、ML(機械学習)エンジニア、そしてリサーチサイエンティストについてその職務内容と平均年収レンジをご紹介いたします。
早速まいりましょう。

この記事はQiita trocco®︎ Advent Calendar 2022、24日目の投稿です。
たくさんの記事が投稿されておりますので、ぜひページに足を運んでみてください。

目次

推奨される読者

  • データ職として収入をアップさせたい方
  • 海外と自分の年収を比較してみたい方
  • どの職域が自分に向いているのか可能性を探りたい方


本記事は、Seattle Data Guyのこちらの動画を許諾のもとで書き起こし、邦訳したものです。

※ USDから円への換算は、翻訳時点の1USD=139円で計算しています。また、解説されている年収の情報は動画が投稿された2021年10月時点の情報です。


本論

データサイエンティスト

仕事について

データエンジニアと表裏一体の関係にあるのが、そう、データサイエンティストだ。

給与を見てみると、データエンジニアと似たようなレンジだが平均値はデータエンジニアより少し上のようで、97,000USD(約1348万円)から150,000USD(約2085万円)といったところのようだ。しかし、全体像を考慮するとこの差異は結果的に非常にスケールの小さいものになると思う。
もしあなたがデータエンジニアの職域をより好むなら、あえてデータサイエンティストになる必要はあまりなさそうだ。

また、データサイエンティストになるには修士号や博士号が求められるケースも多い。
この職種に値すると見られるためには、より学歴を積む必要がありそうだ。
とはいっても、修士号や博士号は常に求められるわけではなく、僕は個人的にGeneral Assembly等(オンラインスクール)でスキルを習得してデータサイエンティストの仕事に就いた人間を見たことがある。

結論として学歴に過度に固執しないでも大丈夫そうだが、経歴によっては追加で教育を受けた経験や、統計学やプログラミングについて深い素養があることが望ましい。

米国では、データサイエンティストの年収は他のデータ職と同じように、全体のトップ層に入る。

米国では6桁USDの年収以上を稼ぐ層は決して多数派ではない。Instagramの投稿やこの動画の前に表示された広告がどんな風にあなたに語りかけていたとしてもだ。

年収6桁USDは、そこまで一般的ではない。

年収について

データサイエンティストの年収については、とある実在の人物のキャリアの中でどのような推移があったのかを具体的にお伝えしてみたい。

Interview QueryのJay Fengを例にとってご紹介しよう。
彼が企業から企業へと渡り歩くなかで、年収はどのように上がっていったのだろうか。
Jay Fengのケースは、データサイエンティストの年収がどのくらいになるのかについて良い例を示していると思う。

Workdayという企業で年収95,000USD(約1320万円)+ボーナス15,000USD(約208万円)で仕事を始めたところからスタートしよう。
ここで既に、学業終了後新卒ですぐに約6桁USDの年収を達成してしまっていることがわかる。

ここから(ボーナス込みで)約100,000USDの年収が2年ほど続き、Jay Fengは中間的なポジションを獲得する。80,000〜90,000USDの年収から脱出して、遂にMonsterという企業でベース110,000USD(約1529万円)+ボーナス40,000USD(約556万円)を提示されたのだ。

この年収は徐々に上がり、ベース130,000USD(約1807万円)+ボーナス40,000USDとなる。この時点では実に200,000USDに近づいたというわけだ。

もしJay FengがFacebookのようなベイエリアの企業に行っていたら、200,000USDや250,000USDを稼ぐことは難しくないだろう。

そう、またしてもこのルールが登場する。
例に挙げているような企業では、居住地によって年収レンジが変化するのだ。
このルールが将来どうなるかは、見守ることにしよう。もしかすると「職務によって支払額が決まるべきで、居住地によって決まるべきではないよね」という意見を述べた記事が出没し始めるかもしれない。

そして、もしあなたがハーバードの記事が「データサイエンティストこそ最もセクシーな職業だ」と記述してから10年来、ひっそりと隠れるように生きてきて、データサイエンティストについて詳しくないとしたら以下のようなことを知って欲しい。

データサイエンティストは非常に多くのことをこなすと思われているが、これはデータサイエンティストという用語の意味合いが広いことが要因だ。

あるケースでは、データサイエンティストはよりデータ分析寄りの業務をこなす。
大量のSQLクエリを記述し、疑問や課題に対する解決を探索する。

別のケースでは、データサイエンティストはより予測的な業務を行う。ある特定の結果(人為的な不正やシステムの不全)に対する予測モデルを設計したり、NLP(自然言語処理)プロジェクトを回したりといった具合だ。人によっては、機械学習処理の領域に入ったりもする。

結局どこで働くかに依存してくるところがあり、データサイエンティストが広い意味を持つことにも関係してくる。
データサイエンティストはデータアナリストに似ている職種だが、よりプロダクトにフォーカスし、プロダクトに関する分析を行っていく職種だ。
また、データサイエンティストはより純粋に、不正検知や数理モデルといった数学的な素養を活かしたモデルを業務に活かす道に進むこともある。どのモデルを選択するのか、それはなぜなのかといったことについて深い知識が求められる。
これらは一般的に、過去を顧みるための分析というよりも、未来を予測するための仕事だ。

以上が、3つ目の職種と年収についてだ。


ML(機械学習)エンジニア

仕事について

それでは、4つ目の職種を見ていこう。
4つ目に取り上げるのは、ML(機械学習)エンジニアだ。

MLエンジニアについても、その単語が表す意味は多種多様だ。
僕が理解しているところとしては、MLエンジニアはほとんどの企業において、ソフトウェアエンジニア寄りの立ち位置で、かつデータサイエンスについていくらか知識があり、データサイエンティストと協力して、MLモデルを実際に稼働させるという役割を担っている。

データサイエンティストの中でも、ソフトウェアエンジニアリングについて多少理解があり、モデルをシステムに組み込むことのできる人間がMLエンジニアと同様の役割をつとめることもある。

しかし、大企業においてはデータサイエンティストとMLエンジニアの役割を分ける方が簡単にいく。データサイエンティストには大量のリサーチをこなしてもらい、MLエンジニアにはデータサイエンティストのリサーチ内容を組み込んでもらう、といった具合だ。

MLモデルを実際にシステムに組みこもうとしたことがある方なら理解できるところだが、これは簡単な作業ではない。
実をいうと、これは僕がデータサイエンス領域の仕事をし始めて最初に直面した問題だ。モデルを開発した後、どうやってシステムに組み込んだら良いのか、全くわからなかった。
実際にその段階にたどりついてみるまで、どこに自分の作ったものが息づくのか、どうやってプロダクションに乗るのか全くわからないというのは、何というか奇妙なギャップだ。

年収について

さて、MLエンジニアはどのくらい稼ぐのだろうか?
収入面を見てみて、このポジションは少しソフトウェアにフォーカスすることになるポジションだから、データサイエンティストが稼ぐより平均で20,000UDSほど高く、113,000UDS(約1570万円)の水準になるのも僕にとってうなずける話だ。しかもこれは中間層の話だ。
より高次になると150,000USD(約2085万円)といった価格帯も見ることができる。

levels.fyiを見てみると、それよりも高い年収もありうるようだ。(再び)ざっと「250,000USDレベル」ということもありうる。あなたが大企業と言われるようなテック企業で働いている場合、この金額はおおよそ腑に落ちる。
念の為に言っておくと、これらの年収額は外れ値に位置する。また、この額は企業の株価(stock value)にも依存するところが大きい。
例えばNetflix規模の大きな企業で働いていて、その企業の株価が大幅に下がるようなことがあったとしよう。初期から大量の株式を保有していたが、その価値が半減してしまったとすると、年収は今語ってきたような好条件な水準には保たれなくなってしまう。
そして、株価の低下は企業の平均年収の低下も引き起こす。Facebook、Netflix、Amazonといった企業の報酬の多くはストックオプションで運用されているからだ。

これは、ソフトウェアエンジニアとデータエンジニアを分ける主要な差異でもある。
この2つの職種を比べると、ベースとなる給与にそれほどの差はないが、株式やRSU(譲渡制限付株式ユニット)の点では目立った相違が生まれてくる。


リサーチサイエンティスト

仕事について

最後に、企業によっては1,000,000(100万)USD(約1億3900万円)規模を稼いでいる職業について解説しよう。
半ば冗談だ。この職種が100万USDを稼ぐ高次元の職種であるという点については、それなりに議論が持ち上がっている。Quoraの上では(100万USDを確固たるものとした人の回答に対して)、「100万USDは可能だが、非常に限られたトップ層の人間だけがその次元に到達できるという」反論が挙げられている。

この観点は、これら全ての職種について指摘しておくべき良い意見だ。FAANGで勤務している多くの人材にとっては100万USDレベルの給与は可能で、それは例えばあなたが、MLエンジニアやデータエンジニア、データサイエンティストのように、エンジニアリングや、数学的な素養を非常に強く活かして業務に貢献していたりする場合だ。
これはここで紹介する、リサーチサイエンティストという職種にもあてはまる。

これらの職種は、FAANGレベルの企業であれば全て年100万USD稼ぐポテンシャルを持っている。株式やその他を組み合わせて結果的にそれだけの金額を稼ぐことは可能だろう。
しかしながら、それは簡単なことではない。

ここで語られているのは、トップ1%レベルの稼ぎ手たちだ。
どんな産業においても(例えばあなたの足の写真を撮影したり、プログラミングだったり)、トップ1%の稼ぎ手というのはどういうわけか実際にこの神話的な数字を作り出しているのだ。

もしあなたが今何の話をしているか不明瞭だったら、
僕が今ご紹介していくのはリサーチサイエンティストについての話だ。

リサーチサイエンティストはFAANGレベルの企業でも少しユニークなポジションを占める。

先ほどご紹介したデータサイエンティストの職務は、どちらかというとオペレーション寄りになることがある。分析的なロールを与えられたり、特定のオペレーションに対するニーズを満たす。

リサーチサイエンティストはもう少し広い分析やリサーチを行う。場合によっては完全に未来を見据えた業務を担当する。彼らが職務として取り組むリサーチや論文の中には、企業の現在にとって直接的な影響を与えないものの、未来において非常に大きなインパクトを与える可能性のあるものが含まれる。

そうであるから彼らは、実験のデザインやセットアップを大量にこなし、出てきたアウトプットを翻訳し、正しいデータを集めることに努める。

年収について

年収に話をうつそう。
FAANGレベルの企業における他の技術職と同様に、リサーチサイエンティストの平均年収は180,000USD(約2502万円)〜250,000USD(約3475万円)レンジであると言えるだろう。
これについては、Quoraのコミュニティの中でGoogleやMicrosoftで働いたことのあるような人々にとっても支持できる見解だと思う。
なぜなら、こうした利益率の高い企業においてはこの金額も、あながちとんでもない報酬ではないと考えられるからだ。

さて、話を終える前に伝えておきたいこととして、もし僕が今回紹介した職種や年収について、もし質問があったらぜひ教えてほしい。
僕が述べたことに対して何か具体的なデータを追加していただけるようなら、それもウェルカムだ。
あなたの大切な時間を割いて、僕の話をきいてくれて本当に有難う。
また会えることを楽しみにしております!


最後に (翻訳者から)

いかがでしたでしょうか。2回にわたって、米国で需要の高いデータ職の職務内容と年収レンジについてご紹介してきました。
翻訳をしながら、私自身も非常に学ぶことが多かったです。
年次が徐々に上がるごとにどのようなスキルが必要になってくるのか、どのようにそのスキルを身につけていくのかも気になりました。

米国で働く際に、語学の壁を感じてしまう方もそれなりにおられると推察します。そうした場合、グローバル展開をしつつ日本語でのサポートも手厚いサービスを業務に取り入れることで多少の不安が取り除けるのではないでしょうか。

trocco®︎は日本発のデータマネジメントSaaSながら、日英多言語に対応しており、世界中どこでもご活用いただけるサービスです。海外で第一線を走るデータエンジニアの方からも「わかりやすいGUI」とフィードバックをいただいており、異文化の障壁を超えてデータエンジニアやデータアナリストチームの生産性を向上できるツールです。
ぜひご興味がございましたら、無料のトライアルにて触ってみていただけましたら幸いです!

今回の記事は以上です。Have a Happy Data Engineering Day!!


Credit: Seattle Data Guy (https://www.theseattledataguy.com/)
Thanks for letting us transcribing and translating this video!

Coordinated and Reviewed by Brett Torenvlied of primeNumber, Inc.

Hiromi Saito

PrimeNumber, Inc. / Marketing Divison/ Born in Tokyo, raised in Tokyo, stuck in Tokyo. Have lived in Arkansas, California, and Paris. Speaks Japanese, English, and a little bit of French. / マーケティングの中の人。サッカー大好き人間(DF)。