Looker Studioは、効率的なデータ分析と可視化を実現する革新的なBIツールです。本記事では、Looker Studioの概要や利用メリット、使い方、さらにデータ分析・可視化を効率的に行うコツについて解説します。データの整理と準備・データの定義の統一・適切な可視化ツールの選定・導入・運用の不安など、BIツール導入時の課題にも触れます。Looker Studioを活用して、データ駆動の意思決定を促進し、ビジネスの成果を最大化しましょう。

Looker Studioとは?

Looker Studioは、ビジネスにおけるデータ駆動による方針決定を支援し、ビジネスインサイトを提案します。このツールではデータの可視化・データの共有により、情報の共有と迅速な意思決定が実現できます。

このツールの魅力はクラウドベースで簡単に導入できることや直感的なユーザーインターフェースです。リアルタイムでデータ確認やデータ可視化が行えるため、事業が今後どのような方針を取ればいいかアイデアを形にする作業が捗ります。

Looker Studio Proとの違い

Looker Studio Proは、Looker Studioのプレミアム版であり、追加の機能とサポートが提供されます。このプランでは大規模なシステムに必要な機能が含まれており、大量のデータのハンドリングや複雑なデータのモデリング、高度なセキュリティ設定などをサポートしているため、膨大なデータを持つ事業におすすめのプランです。

Looker Studioでできること

データの接続

Looker Studioを使えば、プログラミングなしで多様なソースを元にしたレポートをすぐに作成できます。BigQuery・MySQL・PostgreSQLなどに代表されるデータベース、Google広告・Googleアナリティクス・検索広告 360などのGoogleが提供するマーケティング関連ツール、Google スプレッドシート・YouTube・Google Search ConsoleなどのGoogleが提供するその他のサービス、CSVファイルのアップロードおよびGoogle Cloud Storageを介したフラットファイル、Facebook・TwitterなどのSNSなど、多くのソースの組み合わせから生成された混合データも含め、実に多様なデータセットに簡単に接続できます。

データの可視化

お使いのデータを、読み取りや共有が簡単で柔軟にカスタマイズできるダッシュボードとレポートテンプレートに落とし込むことができます。たとえば線グラフ・棒グラフ・円グラフ・地図・面グラフ・バブルチャート・ページ割りされたデータ表・ピボットテーブルなどの多様な図を用いてデータをまとまりよく可視化できます。また、レポートをインタラクティブにするために、閲覧者フィルタをかけたり期間の設定をしたりすることも可能です。さらに、テキストや画像を貼り付けてレポートにアノテーションを付けたり、スタイルやカラーテーマを変更することもできます。

データの共有

Looker Studioを使えば、さまざまなデータソースに簡単に接続し、インサイトをチームと共有したり、公開したりすることもできます。また、レポートの埋め込み機能でチームと簡単に共同作業ができます。さらに、前述の通りデータのアクセス制限ができるため、閲覧範囲を限定することで特定のチームへのみデータをシェアすることも可能です。

Looker Studioを利用する4つのメリット

無料で利用できる

Looker Studioの最大のメリットは、なんといっても無料で利用できることです。多くのBIツールが有料で提供されている中で、Looker StudioはGoogleアカウントさえあれば無料で利用することができます。初期費用を抑えながらも、データ分析を効率的に行えます。

直感的に使いやすい

直感的なユーザーインターフェースなので事前学習なしに使っても大きな壁には当たらないでしょう。データ分析においてツールの使い勝手は非常に重要なポイントです。Looker Studioは使いやすさに重点を置いて設計されているため複雑な手続きや操作を必要としません。これによって、余計な学習コストを払うことなくシームレスなデータ分析を行うことができます。

リアルタイムでデータが確認できる

Looker Studioではリアルタイムでデータの確認が可能なので、最新の顧客の動向やシステムが利用されている状況をすぐに察知できます。過去のデータに基づいた情報だけでなく、現在の稼働状況を即座に把握しレポートに反映してくれるため、競合他社に後れを取ることなく今後の事業の方向性をどうするか、迅速な判断ができます。

分析にかかる手間やミスが減る

このツールを利用することでデータの集計や分析にかかる手間が大幅に削減されます。従来のツールのような手動処理や複雑なデータ操作がLooker Studioでは大きく改善され、データの連携が簡単になったため、作業効率の向上と人為的なミスの低減が実現できます。レポートのテンプレートも豊富なため、図の作成に時間を浪費することもありません。このようにさまざまなリソースを最小限に抑えることができるため、他の業務に時間を割くことができます。

Looker Studioを利用する際の注意点

使用できるグラフ数に限りがある

無料版のLooker Studioでは作成できるグラフの数に制限があるため、大量のデータを視覚化するには不向きです。しかし、基本的なデータ分析やレポート作成には十分な機能が提供されています。

視覚化しなくてはならないデータが大量にある場合、Looker Studio Proにアップグレードすることをおすすめします。Looker Studio Proでは、追加の機能とサポートが提供され、大量のデータのハンドリングや複雑なデータのモデリングなどが行えます。事業拡大に合わせて適宜プランのアップグレードも検討してください。

データ量が増えると動作が重くなることがある

元のデータ量が増えるとデータの読み込みや処理に時間がかかるため、一般的なシステムと同様に動作が重くなりやすいです。動作が重くなった場合には、必要なデータのみを保存し、不要なデータは定期的に削除することをおすすめします。また、データのインデックス化やクエリの最適化など、データベースの設計やチューニングの工夫も重要です。データの効率的な取得と処理のためにデータベース側の最適化を行うことでパフォーマンスの向上が図れます。さらに、Looker Studioの設定やキャッシュの活用など、ツール自体の設定や最適化をすることでデータの読み込みや処理時間の短縮が可能です。

Looker Studioを使う前にやるべき4つのこと

データの定義を決める

Looker Studio利用時には、分析に使用するデータの明確な定義が重要です。どのデータを使い、それぞれのデータが何を表しているのか、データの収集方法・保存形式・分類方法はどうするのかを明確に把握することで、運用が始まってからそれぞれのデータに対する認識齟齬が発生することが回避できます。

データのクレンジングを行う

元データに欠損値や異常値が含まれることも想定されるので、運用前にデータのクレンジング(データの整理・前処理)をすることをおすすめします。欠損値の処理や異常値の検出、データの正規化などを行えば信頼性の高い分析を行えます。

こちらの記事では、データクレンジングの必要性やメリット、Excelを活用したクレンジングのやり方などお役立ち情報を紹介しています。

データクレンジングとは?エクセルのやり方や手順、ルールをわかりやすく解説(https://blog.trocco.io/glossary/data-cleansing)

データの整理を行う

このツールをより効果的に活用するためにデータの整理をすることをおすすめします。大量のデータを効率的に分析するにはデータの整理やカテゴリ分け、関連データのグルーピングなどを行う必要があります。このような整理を行うことで、本当に事業に役立つ情報の迅速な取捨選択ができます。

データや分析結果の利用目的を定義する

Looker Studio運用前に、データや分析結果の利用目的を明確に定義することが重要です。どのような分析を行いたいのか、どのようなデータを収集する必要があるのかをはっきりさせることで、適切な設定・適切な分析方法を選択できます。適切な設定ができれば、より効率的にレポーティングが行えます。

Looker Studioの設定方法

Looker Studioにログイン

まず、Looker Studioからログインします。登録がまだの場合、「Get started(無料で利用開始)」から新規登録を済ませます。データソースの表示に際しては、そのソースにアクセス権があるGoogleアカウントでログインする必要があることに注意です。

データソースの選択

ログイン後、左上の「+作成」のプルダウンメニューから「データソース」を選択し、データソースを接続します。

レポートの作成とデータ可視化

データソースの接続が完了したら、「レポートを作成」ボタンをクリックして新規レポートを作成します。作成後、中央のツールバーから「グラフを追加」を選択してデータを適宜表・グラフなどに起こします。また、グラフのフィルタリングもおすすめします。「コントロールを追加」を選択し、パネルから「指標」や「期間」、「ディメンション」などを指定してフィルタリングします。ディメンションはデータのレンジ・切り口を指定し、指標は具体的なデータをグラフ化する要素です。また、適宜レポートテンプレートを利用しましょう。

データの分析と共有

レポート作成後は自動で情報が更新されるので、可視化されたデータから「改善点」や「成功点」を分析し、プロジェクトの現状把握を行うことができます。また、完成したレポートはPDFやメール、URL、招待メールなどで共有ができます。

効率的にLooker Studioを使う6つのコツ

データモデリングを最適化する

データモデリングは効率的なデータ分析を実現するためには非常に重要なステップです。Looker Studioではデータを意味のある形に整理し、関連性を明確にするためのツールが提供されています。データの構造を理解し適切なモデリングを行うことで、より高次な分析が可能になります。

レポートを標準化する

生成されるレポートを標準化することによりレポートの共有や他のデータとの比較が容易になります。レポーティング標準化は定期的にレビューを行う場合や、同じデータを別のチームとも共有する場合にお勧めです。一貫性のあるフォーマットや指標を設定し、レポートの見やすさと理解しやすさを向上させましょう。

カスタムダッシュボードを作成する

事業計画に含まれるKPIを一目で把握できるようにするためにカスタムダッシュボードを作成しましょう。カスタムダッシュボードの作成は、必要な情報に迅速にアクセスできるだけでなく、システムのパフォーマンスをリアルタイムで監視できるので、迅速なフィードバックが行えます。

アラートを設定する

特定の指標が一定の閾値を超えた際に通知が届くようにアラートを設定しましょう。アラートの設定をすることで異常な状況や重要な変化を見逃さずに対応しやすくなります。異常事態に対してすぐに対応できれば、致命的な被害を被り顧客からの信用失墜を防ぐことができます。

APIを活用する

Looker Studioに備わっているAPIを活用することで、他のアプリケーションとの連携や作業が自動化でき、データの共有や処理の効率化が図れます。外部ツール・サービスとのシームレスな連携が実現できればよりシステムが便利に使いやすくなります。

アクセス権限を最適化する

アクセス権限を適切に設定することで、セキュリティを担保しつつ必要なメンバーに適切な情報が届きます。ユーザーごとに必要な情報へのアクセスを制限することで、顧客情報の漏洩・不正アクセスを防止しましょう。

trocco®とLooker Studio

弊社はデータ分析基盤構築サービスtrocco®を提供しており、trocco®を利用することでLooker Studioへの連携もより簡単に行えます。

Looker Studioはエンジニアでなくとも操作が可能ですが、別サービスと連携し細かなカスタマイズをするとなるとやはりどうしても煩雑な設定が必要となってしまいます。そのような場合にtrocco®を用いることで、より迅速に容易にデータを連携し可視化することが可能となります。

以下の記事では例としてtrocco®を利用してGoogle Spreadsheetsに入力されたアンケートフォームのデータ等をGoogle BigQueryへ自動同期し、わずか30分ほどでLooker Studioにグラフとしてアンケート結果を表示させる手順を解説しています。興味をお持ちの方はぜひこの機会にご覧ください。

[Google SpreadsheetsのデータをGoogle BigQueryへ自動同期し、Looker Studio(旧:Googleデータポータル)で可視化する](https://blog.trocco.io/case-study/spreadsheets_to_bigquery_to_lookerstudio)

まとめ

今回はLooker Studioについてそのメリットや注意点、効率的に操作するコツなどを解説しました。Looker Studioはエンジニアでなくとも使えますが、やはり専門用語が多く操作にもテクニックが必要なので学習コストがかかることは否めません。

しかしtrocco®を導入することでそのような手間をかけずに簡単に多様なツールとの連携が実現できます。フリープランであれば転送元/転送先コネクタ数は2種まで、ユーザー数は無制限で利用でき大変コストパフォーマンスに優れています。

データの連携・整備・運用を効率的に進めていきたいとお考えの方や、プロダクトにご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。

trocco® ライター

trocco®ブログの記事ライター データマネジメント関連、trocco®の活用記事などを広めていきます!