近年、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールの導入は企業の経営効率化や意思決定の高速化に向けて進められてきました。しかし、単にツールを導入するだけではなく、その適切な運用方法や、関連する技術の組み合わせが求められます。
本記事では、不動産業界のある企業の事例を取り上げ、BIツールとETLツールの活用を通じて、経営指標のレポート作成の最適化を図った取り組みを紹介します。
クライアントの課題
BIを導入したのはいいものの、基幹系システムDBにダイレクトにアクセスするという手法を取っており、これが動作の遅さの原因となっていました。そのため、PDCAをうまく回せない状況でした。
さらに、BIのダッシュボードを作成する際にはエンジニアがSQLを詳細に記述する必要があり、データが欲しいときにスムーズに対応できるような体制ではないことが課題でした。
解決方法
この課題を解決するために、まずはデータウェアハウス(DWH)を導入しました。これにより、基幹系DBへの直接アクセスを回避できるようになりました。
BIツールとデータウェアハウスを容易に連携させることができるように、BIツールにはLooker Studioを選択しました。
また、必要最低限のSQLでデータマートを作成できるよう、また、将来的に広告データなどの解析をすることをふまえ、かんたんに迅速に実装できるtrocco®を採用しました。
導入効果
これらの方法を採用した結果、BIツールの表示スピードが驚異的な300倍にまで向上しました。IT部門の作業工数も大幅に削減され、細かいデータの解析もBIツール上で可能となりました。これにより、ビジネスユーザー側での経営指標のレポート作成の要求が大幅に減少しました。
経営指標を可視化し、分析に役立てるときのポイント
経営指標を可視化し分析する際の鍵は、hogehogeの2つです。これらを実現することで、経営層からフロントラインのスタッフまで、全員が同じデータを基に迅速な意思決定を行えるようになるでしょう。
データの一元管理
データの一元管理は、異なる情報源からのデータを一つの中央の場所に格納・管理することを指します。これは、経営指標のレポート作成において重要なポイントとなります。
一元管理を行うことでデータの重複や矛盾を排除することができ、データの信頼性が向上します。また、 中央の場所にデータを格納することで、必要なデータへのアクセスが迅速かつ簡単になります。
さらに、データへのアクセス権限やセキュリティポリシーを一元的に管理することで、情報の漏洩や不正アクセスのリスクを低減することができます。
データマートの活用
データマートは、企業全体のデータウェアハウスから特定の業務領域や部門向けに抽出・整理されたデータの集合を指します。データマートの活用は、経営指標のレポート作成の効率化や特定の分析ニーズに応える際に有効です。以下に主な特徴と利点を示します。
データマートは特定の業務領域や部門のニーズに合わせてデータが整理されているため、それに関連する分析やレポート作成が効率的に行えます。
結果として全社のデータウェアハウスから必要なデータだけを取り出して使用するため、データの読み取りや分析速度が向上します。
特定の部門や業務領域の変更に柔軟に対応でき、新しいデータの追加や変更が容易になるでしょう。
まとめ
経営指標のレポート作成に関するチャレンジは多岐にわたりますが、適切なツールや手法の導入により、これらの課題は克服可能です。
とくに、リアルタイム性の確保やユーザーフレンドリーなインターフェースの3つは、効果的な経営指標の可視化と分析のための鍵となります。これらを実践することで、迅速かつ的確な意思決定をサポートする強力な基盤を築くことができるでしょう。
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