データは現代ビジネスにおける新たな石油と言われ、その取り扱いは企業の成長を左右します。特にデータエンジニアやデータアナリスト、データを活用している部署にとって、データ管理の効率化は欠かせない課題となっています。本記事では、この課題を解決するための一つの方法として、ETLツールの活用を提案します。ETLツールはデータの抽出、変換、格納というプロセスを効率的に行うことができ、業務効率を飛躍的に向上させることが可能です。そして、その一例として、ETL機能を備えたツール「trocco®」についても詳しく紹介します。
ETLの基本的な概念とその重要性

ETL(Extract,Transform,Load)は、データ分析における重要なデータ処理のプロセスを指す概念です。このプロセスは、データの抽出・変換・格納という3つの主要なステップで構成されています。まず、異なる複数のデータソースからデータを抽出(Extract)し、その後に、そのシステムに定義されたビジネス要件に合わせてデータを変換(Transform)します。最後に、変換されたデータを目的のデータストレージに格納(書き込み、Load)します。
ETLの重要性は、ビジネスにおいてデータ分析やデータ駆動型の意思決定を円滑にすることです。データは多様な形式やソースを元に取得される場合が多々ありますが、ETLツールを利用することで、これらのばらばらなデータを一元化し、整理することができます。これによって、より迅速かつ正確な事業の課題分析、改善点提案、戦略立案をサポートします。
ETLツールを導入する5つのメリット

ETLツール導入には、下記5つのメリットがあります。
- データ管理の効率化・改善ができる
- ビジネス効率と生産性が向上する
- データ品質の確保・改善ができる
- 高度な知識が不要
- エラーの削減ができる
それでは、それぞれについて詳しく説明します。
データ管理の効率化・改善ができる
ETLツールを導入する第一のメリットとして、プログラミングをせずにデータの抽出・変換・格納(書き込み)というメインのプロセスを自動化できるため、点在した情報を統合的に整理できるということが挙げられます。また、複数のシステムから効率的にデータを抽出し、必要に応じて柔軟に処理を変更できるため、データの一元化と統合の作業のハードルが低くなります。これらの結果、データ管理業務の効率化・プロセス改善が図れます。
ビジネス効率と生産性が向上する
第二に、ETLツール導入によってビジネス効率と生産性の向上が期待できます。ETLツールがあればプログラミングの知識が不要なため、専門家ではないビジネスサイドのメンバーでも業務を遂行することができます。また、短時間でデータの処理ができるため、結果として他の業務にリソースを割くことができるようになります。さらに、ETLツールの導入によって開発環境を整えることができ、開発工数を削減できます。
データ品質の確保・改善ができる
第三に、データ品質の確保と改善が行えます。データの抽出・統合・変換のメインプロセスを自動化することによって、データの正確性と一貫性を向上させられます。また、それ以外にも、データクレンジングや整形などの前処理となる作業も自動化できるため、データの品質を維持することも可能となります。これにより、信頼性の高いデータを基にした定量的な分析と意思決定がスムーズになります。
高度な知識が不要
第四に、ETLツールの導入にはデータサイエンスに関する高度な専門知識やプログラミングのスキルが不要です。もちろん最低限のリテラシーは必要ですが、直感的に理解しやすい開発環境を用意することによって、プログラミングの手間なくデータの操作やメンテナンスが可能となります。これによって、時間や知識等のリソースに制約のある状況でも効果的にデータ活用ができるようになります。
エラーの削減ができる
最後に、ETLツール導入のメリットとしては、人為的なエラーを削減できるということが想定されます。データ処理を自動化できるため、人為的なミスや誤変換、データの逸失などのインシデントのリスクを低減することができます。これによって、データの品質を維持しつつ人的資源の有効活用が期待できます。
ETLツールを使う3つのデメリット

非常に有用なETLツールですが、下記3つのデメリットがあることも想定してください。
- データの利活用の基礎知識は必要になる
- コストがかかる
- ツールによって使い勝手が異なる
データの利活用の基礎知識は必要になる
ETLツール利用に当たって高度な専門知識は必要ありませんが、SQLやETLの概念の理解、基本的な操作や設定に関する基礎的なリテラシーを持っていることが望ましいです。最低限求められる知識が社内に備わっていない場合、教育プログラムの実施や外部の講師の調達が必要になることもあります。
コストがかかる
導入・運用にあたっては一定のコストがかかることが見込まれます。ツールの価格は機能や提供されるサービスに依存しますが、通常、導入コストやライセンス費用、メンテナンス費用が必要となります。一部のツールではフリープランや無料版が提供されており、初期の導入コストを抑えることも可能ですが、無料版ではほとんどの機能が使えないツールも散見されます。
ツールによって使い勝手が異なる
ツールごとに使い勝手が異なるのもデメリットの一つです。操作方法やユーザーインターフェース、機能の有無などが異なるため、ツールを試す度に使い勝手や操作性に都度適応するコストがかかります。また、複数のツールを併用する場合には、それぞれのツールに合わせた学習をする必要があります。
ETLツールの選定ポイント

ここまでは、ETLツールのメリット・デメリットについて説明しました。
本章では、ETLツールの導入を検討する際にどのようなポイントを見ればいいのかを紹介します。
具体的には、以下の5つの点を押さえるといいでしょう。
- ETL機能の充実度
- ETLに対応しているか
- リバースETLに対応しているか
- データ分析の自動化をサポートしているか
- メタデータのサポートがされているか
ETL機能の充実度
まず自社が既にして利用しているサービスとETLツールの互換性を確認しましょう。自社のサービスがツールで転送できるかを重視し、新規サービスへの対応やバージョンアップの頻度、サポート対応なども考慮しましょう。操作しやすいUIを備えているかも重要な判断材料です。
ELTに対応しているか
ELT方式に対応しているも重要なポイントです。ELT方式では、生のデータを一度データウェアハウス(DWH)に統合し、そこから抽出・加工を行うため、モダンなデータエンジニアリング手法に対応できます。
リバースETLに対応しているか
ETLは通常、データをDWHに統合する作業ですが、DWHからデータ元のサービスにデータを逆流させるリバースETLという手法があります。全社で用いる汎用的なデータ活用を実施する場合にはリバースETLに対応しているかについても検討しましょう。これについて検討することで、DWHで加工されたデータを元のサービスでも活用できます。
データ分析の自動化をサポートしているか
常に最新のデータを用いて作業するためには、定期的なデータ転送が必須となります。ツール選定の際には、データ分析基盤構築のみならずデータ転送や更新の自動化もサポートしているかを確認しましょう。これによって運用の負担を軽減し、分析結果を常に最新の状態に保つことが可能となります。
メタデータのサポートがされているか
メタデータを活用したデータマネジメントができるかについてもチェックしましょう。ETLツールは通常、データ転送の工程でメタデータの作成や収集が可能であり、これらの作業ができればデータマネジメントの効率化も図れます。
trocco®ならETL/データ転送が簡単に

上述のように、自社にフィットしたETLツールを導入し適切に活用すれば非常に大きな効果をもたらします。
データ転送・統合は工程が多く手間がかかる作業ですが、trocco®はそれらに必要な工程を自動化し、また、さまざまな機能・サポートにより工数を90%以上削減することが可能です。

trocco®は直感的に理解しやすいGUIを採用しており、ETL機能以外にもジョブ管理機能やマネージドデータ転送機能など、データ活用を行うにあたって欲しい機能が一通り揃っています。そのほか、日本語でのドキュメントが整備されており、導入開始時および新機能リリース時にはオンラインハンズオンを実施するなど、手厚いサポートが受けられるのも特徴です。
trocco®を使用した企業の感想やその効果、具体的にどのような用途で利用されているかということを知りたい方は、以下の導入事例をご覧ください。
https://blog.trocco.io/interviews
まとめ

今回は、ETLの概要とツール導入のメリット・デメリット、導入を検討する際にチェックすべきポイントについて解説しました。今日の社会では、いかに優良なデータを抽出し有効活用できるかが事業の明暗を分けると言えます。データエンジニアやデータアナリストと契約しETLを行うとなると採用コストなどの人的費用がかかり、また人手による作業のためインシデントが発生するリスクも否めません。それらはETLツールの導入によりクリアできますが、実際にデモサイトを操作できればどのツールが自社にマッチしているか見極めることができるでしょう。
trocco®はクレジットカード登録が不要のフリープランを提供しているため、無料でツールの使い心地を体験することができます。有料プランも導入コストがかからないため、ツール導入にあたっての費用面での懸念は払しょくできるでしょう。
