近年、デジタル技術の進化に伴い、企業の業務効率やサービス提供の質を向上させる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の動きが加速しています。中でも、人材派遣会社では効率的な業務運営や正確なマッチングのためのデータ活用が注目されており、その成功の鍵となるのがデータの一元管理とその適切な活用です。

本記事では、人材系のある企業の事例を取り上げ、データのサイロ化の解消や安全にデータを活用できる環境を整える方法を紹介します。

また、人材系サービスを運営する企業はどのようにデータを活用するべきなのか、ポイントを解説します。

クライアントの課題

人材派遣サービスを展開する某企業は、データのサイロ化の問題を抱えていました。スタッフの稼働状況や案件情報が点在しており、データの一元管理が困難な状況でした。さらに、機密性の高い情報の取り扱いにも課題があり、安全に運用できるデータウェアハウス構築のニーズが高まっていました。

解決方法

人材派遣サービスを展開する某企業は、OracleDatabaseに保存されている商談データ、稼働データ、そしてオープンデータを、trocco®を活用してETL(データの抽出、変換、ロード)を実行し、データをAmazon Redshiftに転送しました。Amazon Redshiftに保存されたデータをもとに、商談状況やスタッフの稼働状況がわかるようなデータを集計しました。そして、それらのデータの可視化を実現するため、BIツールとしてAmazon Quicksightを採用し、グラフなどで部署の稼働状況がわかるようにしました。

導入効果

trocco®の導入により、スタッフの稼働状況や案件の状況をリアルタイムで可視化することができるようになりました。これにより、営業活動が最適化され、以前に比べて機会損失を大きく削減することができました。

さらに、AWSサービスの利用により、データをインターネット上に公開することなく、高いセキュリティを保持しながら効果的なデータ分析基盤を実現することができました。

AWS PrivateLinkとtrocco®を活用して安全にデータ連携をしたい方はこちらもご覧ください。

人材系サービスの運営でデータ活用をするときのポイント

データの一元管理

人材系サービスを運営する企業では、求職者のスキルや経歴、企業の募集要件や業務内容などの多岐にわたる情報を扱います。そのため、これらのデータは一元的に管理され、迅速かつ効率的なアクセスが可能である必要があります。

セキュリティの確保

人材業界では、求職者や企業の機密情報を取り扱うため、データの保護はとても重要です。セキュリティ対策を強化し、不正アクセスやデータの漏洩を防ぐ仕組みを確立することが必要です。

BIツールの活用

データは膨大なデータを手動で分析するのは非効率的です。また、手作業はミスにもつながり、正確に分析結果を出せないこともあるでしょう。BIツールを活用することで、データをダッシュボードやグラフで視覚的に表示し、求職者と企業のマッチング状況や営業の進捗などのKPIを一目で確認できるようになります。これにより、迅速かつ的確な意思決定ができるようになるでしょう。

まとめ

本記事では、人材派遣サービスの企業におけるデータのサイロ化の解消と活用するための環境構築の事例を紹介しました。

データ分析基盤の構築支援サービス「trocco®」を活用すれば、データの一元化も効率的に行えます。

trocco®では、クレジットカード不要のフリープランをご案内しています。データの集計・解析にかかる負担を軽減し、データを活用し業務を効率化したいという方は、ぜひtrocco®をお試しください。

trocco® ライター

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