近年、製造業界において拠点間のデータの非統一性が課題となっています。統一されていないデータの管理方法やツールの使用が拠点間で異なることで、業績の管理や意思決定に大きな支障をきたしているのです。本記事では、このような課題に直面したクライアントとその解決方法、効果について紹介いたします。
クライアントの課題
製造業界のある企業は、販売管理や製造管理におけるデータの管理方法が各拠点によって異なるという課題に直面していました。さらに、拠点の規模や扱っているデータの特性により、デジタル化の進行度合いも異なるため、すべての拠点に一律のツールを導入することが難しく、その結果として費用対効果が見込めない状態が続いていました。
解決方法

この課題を解消するために、DWH(データウェアハウス)の導入が行われ、各拠点のデータが集約されました。さらに、株式会社primeNumerのサポートのもと、データガバナンスが制定されました。この取り組みにより、拠点を越えた効率的なデータ集計や操作が可能となるようになりました。
導入効果
データウェアハウスの導入により、以前抱えていたデータの非統一性の問題が大きく解消されました。その結果、全拠点を通じての迅速な業績分析や意思決定が可能となりました。また、ツールの一元化の取り組みが進められ、これにより拠点間での情報共有がよりスムーズになり、業務効率が顕著に向上しました。
拠点が複数ある企業が社内のデータを統合する際のポイント
拠点が複数ある企業が社内のデータを統合する際のポイントは、以下の4点です。
データの品質や形式を確認し、統一する必要があるかどうかを検討する
まず、データの品質や形式の確認が不可欠です。企業の拠点や部門ごとにデータの形式や品質が異なることは少なくありません。これらの差異をそのまま統合してしまうと、後の分析や利用に際して大きな支障をきたす可能性があります。したがって、事前にデータの品質や形式を詳細に確認し、統一が必要かどうかを検討するステップが重要となります。
拠点ごとのニーズや特性を考慮し、一律の方法ではなく柔軟なアプローチを取る
次に、拠点ごとのニーズや特性を考慮することが求められます。全ての拠点で同じニーズやデータの取扱い特性があるわけではないため、一律の方法を強制するのではなく、各拠点の特性に合わせた柔軟なアプローチが必要です。これにより、各拠点の実情に合わせた効果的なデータ統合が可能となります。
データガバナンスを制定し、データの取扱いや管理方法を明確にする
さらに、データガバナンスの制定が中心的な役割を果たします。データガバナンスは、データの取扱いや管理方法を明確に定義するもので、これを制定することで統合されたデータの品質や信頼性が保たれるようになります。とくに、複数の拠点や部門が関わる大規模なデータ統合においては、このガバナンスの役割は非常に大きいです。
社内ステークホルダーとのコミュニケーションを頻繁に行い、統合の進捗や課題を共有する
最後に、社内ステークホルダーとのコミュニケーションの頻度を増やすことも重要です。データ統合の進捗や課題は、関連する全てのステークホルダーと共有されるべきです。定期的な情報共有やミーティングを設けることで、統合の方向性を共有し、障壁や課題に迅速に対応することが可能となります。
まとめ
製造業界において、複数拠点間のデータの非統一性は大きな課題となっています。しかし、適切な方法でデータを統合することで、これらの課題を克服し、業務効率や意思決定の精度を大幅に向上させることが可能です。DWHの導入やデータガバナンスの制定など、先進的な手法を活用して、データの力を最大限に引き出しましょう。
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