多くの企業がデジタルトランスフォーメーションの一環として、データ活用を推進しています。しかし、実際の現場でのデータ統合やドキュメント管理には多くの課題が存在します。
本記事で取り上げる某社もその一つで、既存のシステムやセキュリティポリシーが、効率的なデータ運用を難しくしていました。
今回は、そのような課題をどのように克服し、データを有効活用して経営の効率化を実現したのか、そしてデータ活用のポイントについて説明します。
クライアントの課題
某社では、自社の基幹システムでも変更の多い重要な数値であるマスタ情報はORACLEデータベースに保存されていました。自社サービスにも必要な情報が集計されていましたが、画面のUI上はデータ確認できるもののAPIが公開されておらず、手動運用しており、それらのデータを統合するメソッドがない状態でした。
また、各種ドキュメントをクラウドにアップロードすることは社内のセキュリティポリシーで禁じられているため、ローカルでExcelなどを用いて作業し、最新のドキュメントファイルを毎回共有しながら画面やデータベースと内容の付き合わせを行いレポート化するという非常に手間と時間のかかる方法で管理をしていました。
解決方法
作業の効率化として必要なデータのみをメンテナンスしてクラウドにアップロードする作業はRPAを使いました。
具体的には、ExcelファイルはRPAを利用して自動でGoogleスプレッドシートに変換し、ローカルにダウンロードされた自社サービスで管理していたファイルをGoogle Cloud Strogeにアップロードするようにしました。
これらのデータの抽出・変換・格納(Extract,Transform,Load:ETL)をETL機能を備えたtrocco®で行い、BigQueryの各サービスと連携しました。
導入効果
trocco®の画面上でデータ活用の目的に合ったデータマートの作成までが実施できるようになり、工数の削減に成功しました。
BigQueryとBIツールであるLooker Studioとの連携も簡単に行えるようになり、数十個程度のグラフであればすぐに可視化ができるように改善され、全体の結果としてデータ抽出から経営向けのレポート作成までを1ヶ月程度で実施できるようになりました。また、レポートが必要な時に逐次更新できるようになりました。
さらに、trocco®を提供するprimeNumber社から顧客へワークショップでの教育からナレッジトランスファー(知識の受け渡し)を実施し、営業・企画などのビジネスサイドのメンバーや開発・運用などのエンジニアサイドのメンバーの組織力底上げに貢献しました。
経営KPIのレポート作成・データ活用をするときのポイント
経営KPIのレポーティングおよびデータ活用を成功させるために、下記3つのポイントに留意しましょう。
レポートやデータ活用の目的を明確にする
まず、その目的を明確に定義することです。何を達成したいのか、どの情報がビジネスの成功の指標となるのかを明示しましょう。
たとえば、収益の向上、コストの削減、市場シェアの拡大、顧客満足度の向上など、具体的な目標を設定し、それに適したKPIを選定します。このような明瞭な目的設定により、データの収集と分析が的確に行え、結果として経営戦略に対するインサイトを得ることにつながります。
データ品質を担保する
データ活用において、品質の確保は成功の基盤となります。データの正確性、完全性、一貫性、適時性などを確保するために、データソースと収集プロセスを厳格に審査し、エラーや不正確な情報を適切に処理します。それと同時に、データのセキュリティとバックアップも確実に行いましょう。このような対応は、信頼性の高い意思決定と戦略の実行に不可欠です。
視覚的にわかりやすくする
最後に、データの視覚化をすることで情報の伝達を効果的に行いましょう。たとえばグラフ、チャート、ダッシュボードなどの視覚化ツールを駆使すれば、データを分かりやすく提示できます。適切な視覚化は、データの傾向やパターンを瞬時に把握し、スピーディで正確な意思決定をサポートします。
ただし、視覚化はシンプルで明快であることが重要です。情報の混乱や複雑化を避け、要点が明確に伝わるよう工夫しましょう。
まとめ
会社によって実にさまざまな経営の課題を抱えていますが、その多くが適切なデータドリブン経営(データ活用)を試みることによって改善できるケースが多いです。
今回は、ドキュメントやデータの管理をRPAとtrocco®の導入によって改善した方法と、データ活用のポイントについて解説しました。
trocco®であれば直感的に理解しやすいUIや日本語での手厚いサポートなどが充実しているため、データの統合方法に悩んでいる企業やデータ活用をしたいが二の足を踏んでいる企業にもおすすめです。
データの連携・整備・運用を効率的に進めていきたいとお考えの方や、プロダクトにご興味のある方はぜひ資料をご覧ください。
