大量のデータが流通している現代では、それを積極的にビジネスに活用することは当たり前のことになっています。消費者に関する多くのデータが集まる小売業界でも、さまざまなデータの取得・解析・活用が進んでいます。

とくに、多くの店舗の運営に携わり、集客や購買環境の構築をしているショッピングモール経営企業にとって、各テナントの売上や集客状況をスピーディーに把握することの重要性は高まっています。

しかし、大量かつ複雑な情報をどのように収集し、そして活用すべきなのか悩んでいる企業も少なくないのではないでしょうか。

本記事では、そのような課題を持つ企業に向けて、テナント情報の可視化の例とデータ活用のポイントを紹介します。

ショッピングモールを運営する企業が置かれている状況

複数テナントを抱えるショッピングモールを運営する企業が事業を成長させるためには、さまざまなことに取り組む必要があります。たとえば、テナントマネジメントと契約管理、テナント入れ替えとリースアップデート、顧客獲得と維持など、多くの課題が存在します。

テナントマネジメントと契約管理では、多数の異なるテナントとの契約の効果的な管理と円滑なコミュニケーションを測るための体制の整備が必要です。

テナントの追加や入れ替え、リースアップデート(賃貸契約に関する更新や変更)においては、戦略的なアプローチが不可欠です。モールの成功には、テナントミックス(異なるテナントを選別し、配置する戦略)を最適化し、顧客の需要に合致したテナントを吸引することが重要です。

そして、顧客の維持と満足度の向上も重要な課題です。これには適切なマーケティング戦略の策定やプロモーション活動、顧客ニーズを満たすようなサービスの提供、快適なショッピング環境の維持などが欠かせません。

こうした取り組みを円滑にするのが、データの可視化です。

テナント企業の売上状況の把握や各テナントの売上を伸ばすための施策の実行、テナントミックスの最適化には、データの活用が必須です。

また、顧客の嗜好やニーズを把握し、顧客と長期的な関係を築くためのコミュニケーションの強化にも、データは不可欠です。

しかし、そのプロセスの確立がうまくできていないという企業もいるでしょう。

テナントのデータの可視化で得られること

ショッピングモールのデータを一元的に見られるようにするためには、ダッシュボードの活用による可視化がおすすめです。

たとえば以下のダッシュボードでは、各テナントの売上の他、客数やモール会員の割合、客単価などの情報を可視化しています。

例に挙げたダッシュボードのように売上データの可視化をすれば、各テナントのビジネスパフォーマンスをリアルタイムで把握し、成功しているテナントと売上が低調なテナントを識別するのに役立ちます。これにより、テナントミックスを最適化し、モール全体の収益を最大化する戦略を策定できます。

また、可視化されたデータがあれば、テナントとのコミュニケーションを円滑にでき、双方にとって有益な連携が叶います。売上の伸びに悩むテナントに対してデータに基づいた適切な策を講じられれば、モール全体の成功に寄与することもできるでしょう。

さらに、顧客体験の向上において、テナントデータの可視化を活用することで、顧客の購買行動や嗜好を理解し、顧客体験を向上させる施策を展開できます。これにより、顧客がモールでの滞在を楽しむ要因を増やし、快適な購買環境を整えられます。

テナントデータは意思決定プロセスにおいて不可欠な情報源となります。モール運営企業はデータを分析し、テナントの収益予測を行い、将来の計画や投資戦略を立案できます。その際に、データが可視化されていると、分析や議論をスムーズに行えます。データ駆動のアプローチにより、予算の適切な配分やリソースの最適化が可能になり、モールの競争力を強化します。

まとめ

本記事では、ショッピングモールを経営する企業がテナント情報を可視化するメリットやダッシュボードのサンプルを紹介しました。

膨大で複雑なデータを分析や施策の実行に活かすには、データの集約や可視化が重要なプロセスとなります。

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