社内のナレッジ共有やプロジェクト管理のため、ツールを導入し活用しているという企業は増えています。しかし、多くのツールやプラットフォームを跨いでのプロジェクト管理が求められる一方で、ナレッジ共有の難しさや情報の断片化が問題となることは少なくないでしょう。
本記事では、データの統合をすることでこれらの課題を解決する方法を、事例を交えて紹介します。
クライアントの課題
某社では、増加する案件を管理するため、プロジェクト管理ツールやタスク管理をサポートするツールを導入していました。しかし、使用するツールの種類が増えたことでナレッジ共有の難しさが顕著になってきました。
とくに、情報システム部門の社内QA業務や社外向けのプロダクトサポート業務において、同じような問い合わせ内容が重なり、関連ドキュメントの検索に多くの時間が費やされている状態でした。一次回答だけで対応できる問題にも工数がかかり、作業効率が低下していました。
解決方法

ETL機能を備えたtrocco®を導入し、各サービスで蓄積されたナレッジや案件情報を一元管理・可視化する環境を構築しました。この取り組みにより、情報の断片化を解消し、関連性の高い情報を瞬時に引き出せる体制を築くことができました。
また、情報システム部門やプロダクトのサポート部門の対応の質を向上させることに集中するため、一次回答を機械的に対応できるようデータを学習できる体制を整えました。
主なデータソース | 扱っているデータ |
Jira | チケットベースで管理されているプロジェクトにおける管理情報 |
Zendesk Support | サービスにおける問い合わせ対応のやりとりなど |
導入効果
Elasticsearchを利用することで、関連タグを基に高速でナレッジを検索することが可能となりました。さらに、蓄積された情報を基にしたチケットの関連グラフモデルを用いて、関連性の高いチケットのレコメンドが実現し、一次対応が劇的にスムーズになりました。
複数のプロジェクト管理ツールの管理やナレッジ共有を効率化する際のデータ活用のポイント
データの一元管理
ナレッジや案件情報が断片化していると検索や共有が難しくなります。一元管理をすることで、情報の可視化や検索性が向上します。たとえば社内QAシステムであれば、新しいメンバーが参入した際の情報キャッチアップも効率的に行えるようになります。
高速な検索システムの導入
ナレッジの量が増加する中、Elasticsearchのような高速な検索エンジンを導入することで、必要な情報を即座に取得することができます。情報検索にかかる時間の短縮は、業務の迅速な推進に直結し、顧客満足の向上にもつながります。
言語処理の活用
言語処理技術を活用して関連性の高い情報やチケットを自動でレコメンドすることで、作業効率の向上やミスの削減が期待できます。頻繁に同じような内容の問い合わせがある場合や、大量の文書データから特定の情報を抽出する際に、言語処理技術は大いに役立つでしょう。
まとめ
社内QAツールやナレッジ共有ツールは、情報共有の効率化や業務の標準化を目指して導入されますが、複数のツールの利用やデータのサイロ化を招くこともあります。
情報の断片化や管理の難しさを避けるためには、データの一元化が極めて重要となります。複数のソースやツールに散在する情報を一つの場所に集約することで、情報アクセスの効率が向上し、情報の整合性を確保できるようになります。
また、一元化されたデータを適切に活用することで、組織全体の分析や洞察の質が向上し、ビジネス価値の最大化につながります。
trocco®は、ETL/データ転送・データマート生成・ジョブ管理・データガバナンスなどのデータエンジニアリング領域をカバーした、分析基盤構築・運用の支援SaaSです。trocco®について詳しく知りたいという方は、以下より資料をご請求ください。
