近年、デジタルマーケティングの急速な進化に伴い、様々な広告媒体からのデータが溢れかえっています。その中で、各媒体のデータを適切に集計・可視化することは、効果的なマーケティング活動をする上で重要です。
本記事では、マーケティング業務におけるデータの可視化の具体的な事例を取り上げます。
クライアントの課題
ある企業では、マーケティング施策が属人化してしまっているため、統一的な方針や戦略が確立されていませんでした。広告の多様性からくる定量的な効果の測定が難しく、そのために最適な投資判断を下すことができずにいました。
また、都度のデータ集計の難しさが時間のロスや効果の遅れを生む原因となっており、同じデータでも使用する集計方法やツールによって異なる結果が生じるなど、信頼性の確保にも課題がありました。
解決方法

信頼性の高いデータ収集ツールやプラットフォームを導入することで、データの統合・可視化を統一的に行い、それによる統一感を実現しました。さらに、各広告媒体からのデータをリアルタイムでモニタリングすることで、マーケティングコストのアロケーションを迅速に判断することが可能となりました。
統合したデータの活用先 | 実践内容・効果 |
Tableau(BI) | 広告ROIを常にモニタリングし、早期改善を実現 |
HubSpot(MA) | 適切なセグメントへの広告配信によるROIの改善 |
Vertex AI(ML) | MLを活用した顧客レコメンドによる分析工数の削減 |
導入効果
データの統一見解をチーム内で共有することができるようになった結果、メンバー間のコミュニケーションがスムーズとなり、より効果的な施策実行が行えるようになりました。また、マーケティングコストのアロケーション判断が素早く行えるようになったことで、ROIの向上を達成し、無駄な投資も削減することができました。
複数媒体のデータを統合・可視化する際のポイント
データの取得範囲や更新頻度を重視したツール・プラットフォームの選定
マーケティング活動では、日々変わる広告のパフォーマンスやユーザーの動向を把握することが重要です。そのため、データの取得範囲が広く、かつ更新頻度が高いツールやプラットフォームを選定することで、リアルタイムに近い情報を手に入れ、迅速な判断ができるようになります。
定期的なデータクレンジングの実施や異常値の確認
データの質はマーケティング活動の効果を正確に測定する上での基盤となります。不正確なデータや異常値は、誤った判断を導く可能性があるため、定期的なデータクレンジングを行い、データの品質を維持することが重要です。とくに、大量のデータを取り扱う際には、異常値の確認や外れ値の除去などの処理が不可欠です。
明確なガイドラインの設定
データを元にした判断を行う際、チーム全員が同じ基準で分析や評価を行うことが求められます。そのため、どのような指標を基準にするのか、どのような状況であればアクションを起こすのかなど、明確なガイドラインを設定し、共有することで、一貫性のある判断が可能となり、マーケティング活動の効果も最大化できます。
まとめ
デジタルマーケティングのデータの集計・可視化は、マーケティングの価値を最大化する鍵となります。今回は、ある企業のマーケティング業務でのtrocco®の活用例を取り上げ、その実現方法と実践のポイントについて紹介しました。
広告・マーケティングのデータの統合・可視化の効率化や、ROI分析におけるチャネル別の効率やリソース配分の最適化には、散らばったデータの結びつけが欠かせません。しかし、その作業は誤りが生じやすく、時間がかかりがちです。
そうした問題を解消するために、より具体的な解決策が知りたいという方のために、「マーケティングROI分析」でのデータ分析基盤活用の資料をご用意しました。この資料では、データの一元化・整備の自動化や定期的なモニタリングの実現方法をくわしく紹介しています。
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