データ分析基盤の構築において、自社開発と外部サービスの導入の選択は悩ましいものです。自社で開発をすればニーズに合わせてカスタマイズをすることが可能ですが、それには高度な技術スキルとリソースが必要になり、また、時間と予算の制約も存在します。

そうした際に検討すべきなのが外部サービスの導入です。外部のソリューションプロバイダーは専門知識と経験を持ち、迅速な導入や運用開始、コスト効率の最適化、サポートとメンテナンスの提供など、さまざまなメリットをもたらします。

本記事では、ETLのSaaS型サービスであるTROCCO®を取り上げ、外部サービスを導入する5つのメリットを解説します。

自社開発の難しさとリスク

技術的な専門知識とリソース不足

自社開発には幅広い技術スタックが必要となることが多いです。新たなシステムやアプリケーションをゼロから構築するために、開発メンバーや設計担当のメンバーは幅広い知識と経験を持っている必要があります。

しかし、全てを最初から理解しているメンバーはそうそういないため、大抵の場合はコストをかけてメンバーが学習しつつ開発を進めます。実装以外にも、バージョンアップ対応や障害対応などの業務にも時間を割くことを想定しなければいけません。

そのため、プロジェクト全体のリソースの確保も課題となります。しかしながら、必要なリソースの見積もりや必要な技術・知識の全体像の把握に難航することも多いため、結果としてリソースの適切な充て方に悩まされがちです。

時間と予算の制約

自社開発では、時間と予算の制限についても考える必要があります。ユーザーの上のニーズに迅速に対応することが自社開発の鍵ですが、外注ではなく自分たちで全ての工程を担当する場合、想定以上の時間がかかってしまうことがほとんどです。要件定義や技術的調査、開発など、新規のデータ連携には通常1ヶ月以上の時間が必要となることが多く、このような長い開発期間は、競争力のある市場での迅速なリリースや事業拡大に大きな影響を与えます。

さらに、予算が不透明であることも自社開発を難しくしている一因です。自社で開発を行う場合、設備の調達や専門知識を持つ人材の雇用など、イニシャルコストが発生することが大前提として、そのほかにも、開発期間が長引いた場合、運用や保守にかかるコストも結果的に増加します。

増加するデータ量やエラー処理への対応

自社開発においては、増加するデータ量やエラー処理への対応も重要な課題です。自社開発はゼロベースでの実装を行うため、データ量が増えた際に行う処理の効率性やエラー処理の信頼性が問題となるリスクがあります。

このような課題を解決するためには、ETLのフレームワークを利用するとよいでしょう。ETL(Extract, Transform, Load)はデータ連携や変換を行うためのフレームワークであり、データ処理の効率化や信頼性向上に大きく貢献します。

たとえば、SparkやEmbulkといったETL用のフレームワークが頻繁に用いられます。Sparkは高速な処理と並列分散処理が可能な特徴を持ちますが、高度なプログラミングスキルが要求されるため、難易度と工数が高くなります。一方、EmbulkはYAML形式の設定ファイルを記述するだけで簡単に実装できますが、変換処理の柔軟性や難易度はまだ改善の余地があります。

しかし、ETLを導入するにあたっても前述したような人材雇用・人材育成のコスト、要件定義・設計のタームが必要となります。自社開発を成功させるにはスピード感が重要となるため、上記のようなコストを最大限削減することが非常に重要になります。その場合に、ETLをコア機能として持つデータマネジメントシステムであるTROCCO®が大変有用になります。次の章では、TROCCO®を導入すべき理由について解説します。

TROCCO®を導入するべき5つの理由

素早い導入と使いやすさ

TROCCO®なら、短期間でのデータ分析基盤の構築と運用開始が可能です。通常、データ分析基盤の構築には長い時間と高度な専門知識が必要ですが、TROCCO®は非常に分かりやすいインターフェースを提供しているため、直感的に操作の理解ができ、難しい手順なしにスピーディな構築が実現できます。

TROCCO®️で分析基盤をスピード構築し、横断的な事業の意思決定が実現!

株式会社ヤプリのデータ分析基盤開発プロジェクトでは、効率的な基盤構築とビジネス成果最大化のためにTROCCO®が活躍しています。広告やクラウドアプリケーションとの連携ができること、GUIが使いやすかったこと、他のサービスとは異なり日本語でのサポートも充実していたことが決め手になったとのことです。

それ以外にも、データ統合をすることで、ダッシュボードへのビジネスフローマッピングが可能になることや、データ統合後の課題はLookerが解決できることなどにも着目しました。TROCCO®の導入により、多忙なデータエンジニアの負荷軽減とスピーディな基盤構築が可能となり、組織横断的にビジネスの意思決定をするツールとして活用されています。

TROCCO®️で分析基盤をスピード構築、組織を横断したビジネスの意思決定を実現

専門知識とサポートの提供

TROCCO®導入にあたっては、専任のカスタマーサクセス担当者がアサインされ、この担当者が導入開始時や新機能のオンラインハンズオンなどのサポートをしています。さらに、設定作業のサポートや作業代行も一部提供しております。システムの画面上には関連ヘルプリンクが表示されているため、困った時にはすぐに日本語のヘルプドキュメントにアクセスすることもできます。

その上、機能の基本仕様や導入チュートリアル、FAQなど、スタートから運用まで必要なTIPSが網羅されているため、幅広いサポートニーズに対応しています。

機能と拡張性

ETLをコア機能として持つTROCCO®は、幅広い種類のDWH・DB・ストレージ/ファイル・広告/計測ツール・SaaSに対応しているため拡張性に優れています。通常、データ集計にはSQLを書く必要がありますが、TROCCO®であればSQLを書かなくてもデータマート(データ集計)が行えるため、非エンジニアでも容易にデータ分析ができます。

それ以外にも、ワークフロー機能も備わっており、ELTとデータマートのジョブの順番を複雑な操作無しに設定することができます。また、エラーやワーニング(注意の呼びかけ)が出た場合にSlackやメールにて通知を行う機能、各種ジョブを毎時 / 日次 / 週次 / 月次で予約する機能、万一操作ミスがあった場合にも任意のリビジョンまでワンクリックで切り戻すことができる機能、各種設定をラベリングする機能など、多くの機能が備わっているのに多様なビジネスニーズに対応しているため、迅速にデータ分析基盤を作りたい場合に最適なツールです。

コスト効率と運用の最適化

TROCCO®の導入によってコスト削減とリソース削減も期待できます。TROCCO®導入には初期費用は必要なく、フリープランなら月額無料で利用することができます。難しい実装なしにデータ分析基盤を構築できるため、プロジェクト全体のイニシャルコスト・開発費用の節約が可能です。

さらに、開発費用のほかにもインフラ費用や人件費の面でもコストを圧縮することができます。運用に関しては、欲しいデータをすぐに連携し、自動で更新できるため分析リードタイムの削減が望めます。

データ統合作業全体の工数は、導入1年間のデータ統合作業工数を比較すると90%以上の工数削減が見込まれます。また、エンジニア工数に関しては約4人/月分を圧縮することも可能です。このようにTROCCO®の導入によってビジネス成果とROIの向上が期待できます。

TROCCO®の導入によってコストの大幅削減が実現!40%のコスト削減、データ転送の手間が2割に

株式会社スタジオレックスはゲームアプリ中心にサービスを展開されていますが、従来のデータ活用業務に課題を抱えていました。そこでTROCCO®を導入し、データ分析業務の効率化とコスト削減を実現しました。導入によってデータ更新頻度の向上や作業効率の改善があった結果、コスト削減も叶ったとのことです。なかでも、GUIで簡単にパイプラインを定義できる機能を高く評価していただきました。データ転送業務の手間が格段に減ったため、新しいゲームアプリの分析にリソースを割けるようになりました。

40%のコスト削減、データ転送の手間が2割に!データ更新の頻度とスピードを向上させ、ユーザーにより長く愛されるゲームアプリへ

「TROCCO®」導入でデータ分析基盤の運用コストを50%削減!

GO株式会社はタクシーアプリ「GO」で知られる企業様で、移動に関するDXを推進されていましたが複雑なデータパイプラインによる運用工数が嵩むことをメインとしてデータ分析基盤の運用に課題を抱えていました。

しかしTROCCO®を導入することでデータ分析基盤システムの運用コストをなんと50%削減し、データ連携のリードタイム節約に成功しました。結果としてデータ分析に費やせる時間が増え、分析スピードも向上しました。マネージドサービスであることや設定画面の使いやすさのほか、サポート体制が充実していることやジョブ実行APIの活用など、TROCCO®のさまざまな機能に満足いただいています。

「TROCCO®」導入でデータ分析基盤の運用コストを50%削減! Mobility Technologiesがデータを生かしたプロダクトを生み出し続ける秘訣とは

TROCCO®導入でらくらくデータ転送!業務コストの大幅削減に成功

個別指導の学習塾「明光義塾」で知られる明光ネットワークジャパン様はデータ活用業務の従来の課題として、データの安全かつシームレスな活用ができなかったこと、データの抽出や連携に時間とコストがかかっていたこと、データのリアルタイムな可視化ができていなかったことを挙げられていましたが、データを企業の資源として活用することを目的に策定された「明光DX戦略ロードマップ」を前進させるためTROCCO®の導入に踏み切りました。

データのセキュアかつシームレスな連携をしたいと考えられたことをきっかけに、TROCCO®の使いやすさとコスト面が目に止まり導入されたとのことです。結果として非エンジニアでも簡単にデータ転送の設定ができるようになり、データ関連業務にかかっていたコストの大幅削減が叶ったとのことです。

DXを最重要戦略と位置付ける明光義塾が「TROCCO®」を選んだワケ

安全なデータ連携の実現

TROCCO®は堅牢なセキュリティインストラクチャを提供し、安全なデータ連携を実現しています。TROCCO®は転送処理をインターネットから閉ざされたネットワーク内で行います。また、転送時のデータは暗号化通信で保護され、機密情報もAWS KMSにより暗号化されます。当システムでは転送ごとに専用サーバを立ち上げるため、他社アカウントと完全に隔離され、お客様のデータを保持する時間は非常に短くなります。

さらに、セキュリティ周りの機能も充実しており、オンプレエージェント機能や認証強化機能、IPアドレス制限などを提供しています。これらのセキュリティ対策により、データの安全性を担保できます。

上記のように、TROCCO®は素早い導入と使いやすさ、専門知識とサポートの提供、豊富な機能と柔軟な拡張性、コスト効率と運用の最適化、安全なデータ連携の実現が可能であるため、データ分析基盤をハイスピードで構築する際に非常に役立ちます。TROCCO®はマーケットの変容に乗り遅れることない迅速な自社開発をお手伝いします。

まとめ

自社開発を成功させるにはコツが必要であり、そのノウハウは一朝一夕に確立できるものではありません。自社開発では、開発メンバーや設計担当者に広範な知識と技術を付けさせるための教育コスト、外部の優秀な人材雇用のコストのほか、市場のニーズに追いつくスピード感が必要であることに加え予算の見積もり困難といった様々なボトルネックが目立ちます。新たなシステムやアプリケーションをゼロから構築するには時間がかかり、競争力のある市場では迅速なリリースが求められます。

しかしTROCCO®を導入することで素早い基盤構築・運用開始が叶い、コスト効率と運用の最適化が実現します。TROCCO®は日本語でのドキュメント対応がされていること、ELTをコアとした多様な機能を展開しており、他のサービスよりも頭一つ抜けた優れたサービスと自負しております。

まずは、事業のビジネス要件・システム要件両方と照らし合わせを行い、TROCCO®であれば何が削減できるのか、何が実現できるのかご検討ください。ご不明点がございましたらお気軽にお問合せください。

TROCCO®は、ETL/データ転送・データマート生成・ジョブ管理・データガバナンスなどのデータエンジニアリング領域をカバーした、分析基盤構築・運用の支援SaaSです。TROCCO®について詳しく知りたいという方は、以下より資料をご請求ください。

TROCCO® ライター

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