現代のビジネスにおいて、マーケティングの重要性がますます高まっています。マーケティングでは、的確なターゲット層の設定も重要ですが、売上を最大化するには広告運用、売上管理、在庫管理を最適化していく必要があります。

本記事では、2024年3月7日に開催されたセミナーをもとに、一気通貫したマーケティングの方法を説明します。ほかにも、マーケティングに関するデータを集約・可視化する重要性や、マーケティングの取り組みに関するユースケースなどを紹介します。

広告成果と実売を関連付けて把握できていないマーケターの方や、製品・サービスを販売する為の複数部門の連携に課題を感じている方は、ぜひご覧ください。

なお、当日のセミナーはこちらからご覧いただけます。

※本イベントレポートの内容は2024年3月当時のものです。TROCCO®の利用や接続オプション等の利用の詳細について知りたい方はprimeNumberまでお問い合わせください。
https://TROCCO.io/inquiry/new

講演者紹介

加藤智司 / ヴェネクト株式会社 開発チームリーダー

フィーチャーフォンサイトの開発からキャリアスタートをし、デバイスや市場の変化に応じたECのサイト構築やゲームのバックエンド開発、キャンペーンサイト構築も担当。業種・領域問わず設計・開発・運用を行っており、課金システムやペイメントシステムの連携構築については多数経験。ヴェネクト(株)参画後は、テクニカルディレクターとして技術知見を活かしながらクライアントのマーケティング支援を担当しつつ、近年は開発経験を活かしデータ統合基盤の設計・開発や社内のデータマネジメント能力底上げにも領域を拡大している。

生田目裕太 / 株式会社primeNumber カスタマーサクセス Senior Manager

2022年 primeNumberに入社。パートナーセールスとエンタープライズ向けソリューション提案を担当しており、IT、小売、製造等幅広い業界向けにデータ分析基盤の構築支援に従事している。

一気通貫マーケティングで売上を最大化する方法

はじめに、VENECTの一気通貫マーケティング支援とはどのようなものなのか、その概要を説明していただきました。

マーケティング支援のフロー

加藤氏:「VENECTがマーケティング支援をしていく際、ステップを3つに分けます。まずは調査・分析から入り、戦略立案のステップに移り、戦略立案のステップで練った計画や準備を施策実行していきます。

全てのステップにおいてデータを活用しながら進めていきます。

調査・分析のステップでは、ブランド認知度調査と呼ばれる調査によって、

  • クライアントのブランドが、一般消費者からどのようなイメージを持たれているのか
  • 競合とどういったイメージの違いがあるのか
  • 有意性はどこにあるのか

などを把握します。また、クライアントのブランドだけではなく、市場全体の動向や競合ブランドの動きの把握も行います。

クライアントの商品については、対象の商品がAmazonや楽天などのレビューサイトから、一般消費者からどのような評価を得ているのか分析します。これにより、競合の商品とのポジションの違いや有意性などを洗い出します。

次に、調査・分析から得たデータを戦略立案のステップに生かしていきます。最初にやることとしては、得たデータを基に年間のマーケティング計画・予算の投資計画を作っていきます。

こちらはレポート作成までのサンプルです。ステップ1で競合の情報を調べ、以下のような時期をプロットします。

  • 特別な動きがある時期
  • セールの時期
  • 年末の重要期
  • マーケティング活動が活発な時期

そのうえで自社では、新商品を出す時期やセールをする時期などの自社の動きをプロットします。このようにして、限られた予算を効果的に使うため、投資額と時期についてのグラフが、山谷の形となるようにします。

やはり年末に予算を高く持っていき、その前の閑散期は低予算で抑えたいです。その際、閑散期でも効果自体は下がりきらないように、その前後での施策を立案します。これら全てを踏まえ、年間のマーケティング計画を作ります。

この年間マーケティング計画の良し悪しを振り返るために、ゴールに紐づくKPIの設計も行っています。KPIが正しくデータとして取れなければ振り返りができないため、戦略立案のフェーズでは環境も並行して構築します。そしてKPIを達成するため、メディア設計やキャンペーン・コンテンツ施策を企画します。

その後、いざ施策を実行するとなった際、『クライアント自身で実行してください』ではなく、週次・月次のレポーティングやKPIのモニタリングをクライアント様と伴走しながら行います。起動修正したりまだ改善できる点を伸ばしたりして、施策実行をしていきます。」

計画が完璧でも、予期せぬトラブルは起こりうる

加藤氏:「ここまで綿密に計画を立てていざ実行となっても、やはりトラブルが起きてしまうケースはあります。

たとえば、綿密な計画と実行準備をしてきた甲斐もあってプロモーションは好調でも、店頭やECサイトに在庫が少なくなっているケースがあります。そして結果的には、プロモーションのストップを余儀なくされてしまいます。すぐに在庫が回復すれば挽回できるものの、それがいつになるのか分からず、継続的に機会損失を生み続けてしまう経験があると思います。

弊社でも、同じような経験が何度もあります。」

マーケティング支援の中で直面する課題の原因

加藤氏:「弊社では、この課題の原因が果たしてどこにあるのかと考えました。

たとえば、ECには在庫がなくて店頭には在庫が残っているのにもかかわらず、ECサイトに集客をしてしてしまう、在庫不足の販売チャネル発生のケースがあります。

本来は管理している部門があり、販売チャネルごとに在庫の振り分けが決まっているはずです。しかし、データを見られていないか、部署間での連携がうまくできていないと、在庫の少ないところに対して次々に集客してしまうのです。

また、プロモーション前は在庫が潤沢にあって開始するものの、プロモーション中に急に在庫不足が発生してしまうケースもあります。

プロモーション前に在庫を確認しているから良しとするのではなく、プロモーション中にどれだけ売れているかをリアルタイムでモニタリングする必要があります。それを管理している、サプライチェーンのチームとマーケティングのチームが常に情報連携をしていかないと、こういった問題も発生します。急に他の部署に在庫持って行かれてしまった場合も、検知できなくなってしまう可能性があります。

こうした機会損失が長くなっていくほど、投資対効果が悪くなっていきます。在庫補充のタイミングがすでに分かっていれば、そのタイミングで新たに広告やプロモーションの再開などのリカバリーを提供できます。しかし、在庫補充のタイミングでの連携ができてないために、いつまでも手が打てずに機会損失が生まれてしまうのです。

マーケティング計画よりも、各部門間の情報連携の仕組みや情報が見えていない、根本的な原因があるのではないかと思います。」

VENECTが消費者とクライアント企業に向けてありたい姿

加藤氏:「VENECTでは、このような機会損失を解決したマーケティング支援を実現したいと考えています。

消費者に対しては、ECサイトや店頭にしっかり在庫があり、欲しいタイミングで物が買える状態を目指します。その結果として、クライアント企業様にとっては、機会損失がない状態で売上の最大化が実現できている状態です。

VENECTは、この2つの架け橋になっていきたいと考えております。」

一気通貫のマーケティング支援

加藤氏:「本当の意味で一気通貫でマーケティング支援をするのであれば、マーケティングの部署がよく見ている広告集客以外のデータも見る必要があります。

たとえば他の部署が持っているデータとして、広告集客への投資に対して実売がどれだけあったかを示す『売上管理』と、消費者の手に届くまで在庫が残っているのかを示す『在庫管理』があります。これらのデータ管理を最適化したうえでマーケティング施策を実行することにより、消費者とクライアントの両者にとって良い状態が実現できると思います。

クライアント企業様に『情報連携をうまくしてください』と問いかけをいたしますが、それだけではやはり情報統制は困難です。各部門が持っているデータをVENECTがお預かりして、1つのデータ統合基盤を構築します。そのデータ統合基盤を、クライアント企業様の各部門の方と一緒に見ることで、情報連携を仕組み化して、機会損失なしの売上最大化を実現しております。」

つづいて、実際のデータ統合基盤の開発の流れをご説明していただきました。

構想の作成

加藤氏:「まず、特定の部門だけが持っている、他の部門から見えないデータを把握するところから始めました。最終的に消費者の手に届くところまでを支援していきたいため、製造・運搬・販売から消費者の手に届くまでの全ての工程において、関与している部門・データを可視化するイメージを作っています。

マーケティングや経営企画の部署が見ている、在庫状況や売上実績のデータだけではなく、製品計画を作る人などが見ている予測データも考慮します。製品計画では、過去の売上を分析して来年のニーズやトレンドを予測し、次にどういった商品を作るか考えます。このような予測データと実績データを切り分けて、データ構想を作成します。

このようなデータが全て一元管理され、スムーズに皆が見られる状況を作るために開発をスタートしました。ただ、開発をするにあたって、弊社はあくまでマーケティング支援の会社であるため、潤沢な開発リソースやエンジニアを抱えているわけではありませんでした。」

primeNumber社とのパートナー契約

加藤氏:「そこで、ぼんやりしていた構想を具体化した要件定義にするため、システム設計、もしくはその設計の構築まで協業してくれるパートナーを探しました。その結果、primeNumberに行きつき、パートナー契約を締結させていただきました。

primeNumberは、TROCCO®と呼ばれるツールが有名であり、TROCCO®の引き合いの方が多いと思います。しかし今回はTROCCO®経由ではなく、データ基盤構築のソリューション事業として、問い合わせしました。」

要件定義フェーズの開始

加藤氏:「ぼんやりしていた構想を、要件定義レベルにします。1回の開発では全て作り切れないため、難易度ごとに開発フェーズやロードマップを切り分けていきました。より詳細な設計を作っていくため、要件定義フェーズとして3ヶ月を要しました。」

ステップ①:予測レベルの定義設定と開発フェーズ分け

加藤氏:「開発ロードマップは、予測をどう取り扱うかといった観点で作成していきました。先ほど、構想のところで一言で『予測』の言葉を多用しましたが、需要予測のように売上データに紐づく予測もありますし、終売予測のような在庫のデータに紐づく予測も存在します。

これらの予測をひとえに『予測』の言葉でまとめていたため、まずは『予測』という言葉の定義をしました。終売予測や売上予測を実現していくために、難易度や優先順位について切り分けていったものが、スライドに掲載している5段階のレベルです。」

レベル1は販売計画です。これは予測というより予定のイメージです。クライアント企業様の販売数予定のデータを取り込むところから始めます。

次に売上実績のデータを次に取り込み、予実管理を実現します。加えて、当月末や数週間後などの短期的な売上予測もレベル2で作っていきます。

売上予測ができれば、あとは在庫のデータを掛け合わせればその在庫がいつなくなるか分かるため、レベル3で終売予測を行います。

レベル4では、在庫補充についての計画も取り込み、終売予測の精度を上げていきます。たとえば、『在庫不足になりそうだが、今後補充される予定があるから、このままプロモーションを継続して大丈夫』といったことが可能になります。

レベル5では、昨年の実績を踏まえ来年の売上を予測するなど、より長期的な売上予測をします。

今回の開発フェーズでは、レベル1からレベル3までの準備をすることにしました。」

ステップ②:データアーキテクチャ設計

加藤氏:「開発の範囲が決まったため、あとは技術的な要件や実装の仕様を詰めていく段階です。

弊社では3、4年前から広告のデータを集約し、可視化・ダッシュボード化するプロジェクトをやっていました。そこでは、Google Cloud上にあるBigQueryを使っていたため、そのままBigQueryを踏襲しました。また、ShopifyのECサイトなどのデータソースや、クライアント様が持っている販売計画のスプレッドシートなどを取り込み、データ基盤を作っていきました。」

ステップ③:データ処理設計

加藤氏:「データアーキテクチャが決まったら、実際にデータ処理設計の検討を始めます。

レベル2では売上予測の作成がメインであるため、広告費のデータとShopifyからの売上データをもとに正味の売上実績を作成します。その売上実績を取り込み、予測売上高を作成する部分を主に実装しました。

この売上予測は、日割で一定感覚で上がっていく単純な予測ではなく、セールの時期などを加味した傾斜をかけられる予測です。こちらに関しては、後ほど詳しくご紹介いたします。」

本番開発フェーズの開始

加藤氏:「ここまでで要件定義フェーズが完了しました。この後はデータを取り込んで加工し、そのデータをダッシュボードに可視化していくフェーズです。この本番開発フェーズは、4ヶ月で進めていきました。」

ステップ①:データパイプラインの設計・構築

加藤氏:「こちらのスライドは、データパイプラインの図です。

背景がグレーの領域は弊社がすでに構築していた広告のデータ基盤で、今回の開発において何も変更していません。一方、背景が青色の領域は今回新たに作った部分です。ECサイトのデータやクライアントが持っているスプレッドシートのデータ、売上実績などを取り込むデータ基盤を構築しました。

グレーの領域と青い領域を1つに統合し、緑の領域で最終的なデータ統合基盤を構築しました。その後、加工したデータをダッシュボードに表示させるパイプラインを設計しました。

このパイプラインに関して、データを取り込むためにprimeNumberのTROCCO®を採用しております。

ETL/ELTができるTROCCO®にはShopifyやスプレッドシートなどのさまざまなデータコネクタが用意されており、簡単にデータ連携の設定が行えます。AWSやGoogle Cloudなどのクラウド環境へ、容易にインプットとアウトプットを実行できるツールです。

今回のパイプライン構築でTROCCO®をフル活用するにあたって、TROCCO®を使ってよかったと思う点がいくつかあります。

まず1つは、別々の処理を順序立てて実行できる点です。この順序立てをGoogle Cloudの環境で作ろうとすると、いくつかのサービスを組み合わせながら処理をコードで書く必要があります。しかしTROCCO®では、画面上の操作だけで処理の順序が設計でき、ノーコードで行えます。エンジニアではない人でも使いやすく、よいツールだなと思いました。

2つ目は、処理を単純に繋ぐだけではなく、たとえばトロッコ内にあるカスタム変数などによって、条件分岐も簡単に設定できる点です。これもほかのツールで行おうとすると、やはりコードを書かなければいけなかったり複雑な設定が必要になったりします。

しかしTROCCO®では、管理画面上でポチポチと設定するだけで実装できるため、痒いところに手が届くツールだと実感いたしました。

もちろんこのデータパイプラインはバッチで動くため、毎日の売上データも取れますし、広告シミュレーションやプロモーションのデータを取ってくることも可能です。」

ステップ②:ダッシュボード構築

加藤氏:「ダッシュボードメニューとして、青黄緑の3つを作りました。プロモーション実行の詳細状況の把握である黄色い部分のデータは、弊社でもすでに可視化していました。

一方、非常に大きい影響があったのは、青い部分です。予定していたプロモーションの実際の影響や、売上実績の予測が1つのダッシュボードで確認できます。さらに、TROCCO®によってリアルタイムで毎日確認も可能です。

プロモーション実行の詳細状況を把握しているだけですと、クライアント様に直接今の売上の状況を聞く必要がありました。そのため、売上成果を確認するのに1週間のリードタイムがかかってしまいます。今の売上状況を踏まえてプロモーションなどを変更する際に、さらに1週間かかってしまっていました。このように、PDCAを回すスピードが非常に遅い状態だったのです。

TROCCO®の導入により、1つのダッシュボードでリアルタイムに売上データが見られるようになりました。その結果、計画に対しての実績などが確認でき、次のアクションを迅速かつ正確に決定できるようになったのです。

PDCAを回すスピードが高速になっていき、クライアント様へソリューションを迅速にご提案できるようになったため、このデータ統合基盤とダッシュボードを作って本当に良かったと感じています。

やはり、2、3週間経ってから過去のデータを基にアクションを決めても、全くその頃の状況と変わってしまっています。伸ばせる時にどんどん伸ばしていかないと、機会損失なしで売上最大化を実現するのは困難です。そのため、売上データをリアルタイムで確認して高速にPDCAを回していくことは非常に重要だと思います。

緑の部分は、予算の追加・削減に応じて、どれだけ売上が変化するかをシミュレーションするために作っています。」

ダッシュボードの画面イメージ

加藤氏:「実際のダッシュボードはお見せできませんが、画面イメージとしてはこういったものを作っています。

青い部分は実績で、そこから導き出される予測は黄色い部分です。また、売上の内訳やリアルタイムでの在庫確認もできるため、次のアクションを取っても在庫不足にならないか、同じダッシュボードで確認できます。」

ステップ③:売上予測の算出ロジック

加藤氏:「最後に、弊社がこだわっている売上予測の算出方法についてです。

従来採用していた日割りの考え方では、一次関数的に上がっていく予測しか作れていませんでした。そのため、月の途中からセールを開催して売上が上がった際に、元の売上実績の予測と乖離してしまうケースが多かったです。

その点をどうにか埋めたいと思い、残予算と過去の売上の伸び率を掛け合わせることによって、傾斜をかけた売上予測が出せるようにしました。その結果、セールを開催した時の売上上昇や閑散期の落ち込みによる乖離を抑えられ、精度が向上したと思っております。」

本講演のまとめ

加藤氏:「情報連携がスムーズにできていないために、在庫不足が発生し、非常に大きな機会損失を生むケースがあります。

それを解決するには、各部門がバラバラにデータを見ていたり、特定の部門しかデータが見れなかったりする状況を打破しなければいけません。データ統合基盤を構築して、自社とクライアントで同じものを見たり、クライアント内部の各部門の人も同じデータ統合基盤のデータを見たりする必要があります。

データ統合基盤を作ったとしても、データがどれだけ新鮮であるかが重要です。データ統合基盤のデータが1週間や1ヶ月に1回更新される程度だと遅いです。スピーディーにデータが切り替わって更新されていくことが非常に重要ですし、そこを解決することが肝だと思います。

その点を担っていただいてるのが、primeNumberのTROCCO®と呼ばれるツールです。データの更新頻度をカバーできていることが、今回のデータ統合基盤の開発において最も重要だったと思っております。」

primeNumberのご紹介

次に、株式会社primeNumberの生田目からprimeNumberの事業をご紹介しましした。

年々、データ量は増え続けている

生田目:「株式会社primeNumberは、『あらゆるデータを、ビジネスの力に変える』というビジョンを掲げて活動しています。具体的に申し上げますと、データを使って売上増加やコスト削減を実現していくことを目標としています。

なぜこのようなビジョンを掲げているのか、背景を交えてご説明いたします。

上のグラフは、世界で扱われているデータ量の推移を表しています。年々データ量が増えており、今後も10年で約10倍になると言われています。直近3年間は約2倍の増加量であるため、10倍の規模がどれだけ大きいかご理解していただけるかと思います。

世の中で扱われるデータ量が急速に増えていけば、ビジネスに使われるデータ量もおのずと増えていきます。先ほどVENECTの加藤氏からもあった通り、データをうまくビジネスに生かしていけないと、機会損失を招いてしまう可能性があるのです。」

日本のデータ利活用状況

生田目:「つづいて、日本のデータ利活用状況について解説します。実際にデータを利活用するにあたって、データを収集・蓄積・処理する、大きな3つのステップがあります。日本とアメリカやドイツの各フェーズの状況、ツールやシステムの導入状況を比較すると、日本は他国より遅れている状況です。

このような背景で、弊社では、日本国内を初めとした全ての企業に対して、あらゆるデータをビジネスの力に変える活動を推進しています。」

データ利活用・分析のプロセス

生田目:「具体的にどのようなアクションを取ればよいか、ご説明いたします。

データは基本的に社内に点在していると思います。いわゆる基幹系やマーケティングなどの、さまざまな種類のデータが存在しているでしょう。データの場所に関しても、クラウドやローカル、オンプレなど、さまざまなところに点在しています。

その点在してるデータはそのままでは使えないため、データ統合のステップが入ります。いわゆるETLツールを使ってデータを収集し、DWHと呼ばれる場所にデータを貯めてます。その後、データを加工して、BIツールでグラフィカルに可視化していきます。それを実際に活用して試作に落とし込み、ビジネスのメリットを生んでいくのです。

前半パートでも述べられていた通り、データをうまく使うにはデータ基盤が必要であり、データ基盤を作るためにはETL・DWH・BIツールなどが不可欠です。」

TROCCO®とソリューションサービスについて

生田目:「データ基盤の総合支援サービスTROCCO®は、さまざまなデータソースに対応しています。マーケティングだとやはり広告系のデータを使うケースが多いと思います。ほかにも、クラウドやアプリ、データベースなどのデータから、TROCCO®によって自動で抽出し、DWHへの蓄積が可能です。

また、データ活用の支援としてソリューションサービスも提供しています。

現在、業界・規模問わず、さまざまなテーマでデータ活用をご支援させていただいております。業界に関しては、製造やIT、小売などさまざまであり、テーマに関しても多岐に渡ります。

たとえば、マーケティングにおいて、広告サービスからデータを取り、『どのキャンペーン、どの媒体の広告が最も効率がよいのか』というROIを算出するために使うケースがあります。また、顧客の行動分析や試作を打つためにCDP構築に利用したり、マーケティング以外でも会社の売上を確認できるダッシュボードを作ったりします。

こういった形で、弊社は非常に幅広くデータを使ってビジネスを加速したいお客様のご支援をしております。

一口にデータを使うといっても、さまざまなテーマがあります。弊社では、以下のように幅広いご要望にお応えできます。

  • データを使ってビジネスを推進させたいが、何から始めたらよいかわからない
  • データ分析基盤は作ったが、運用に工数・コストがかかっている
  • ダッシュボードを作ったが、誰も使ってくれない・自分以外にデータを扱える人がいない

ほかにも、コンサルティングや基盤の構築、人材育成でTX検証をさせていただくなど、多方面からのサポートが可能です。是非、お気軽にお悩み相談をいただければと思います。」

本記事のまとめ

本記事では、広告運用から在庫管理までを一気通貫で運用する方法についてご紹介しました。各部門間で横断的な情報連携ができていないと、適切な在庫管理と効果的なマーケティングは困難です。

そういった状況へのソリューションとなるのが、データ基盤です。各部門が所持しているデータを一元的に管理することで、社内での情報連携が容易になり、機会損失を抑え、売上最大化を実現できます。

弊社の提供する「TROCCO®」は、まさにデータ分析基盤の構築・運用を全面的にサポートするサービスです。データの収集から可視化までのプロセスを容易に実現できます。

データの連携・整備・運用を効率的に進めていきたいとお考えの方や、プロダクトにご興味のある方はぜひ一度TROCCO®のフリープランをお試しください。

データ活用にまつわるステップを、一気通貫でサポート。
今ある課題の根本解決を支援し、自走できる状態を目指します。

データエンジニアリングのプロフェッショナルであるprimeNumberが、
データを活用できる環境・組織の構築に向けて
システムコンサルティング・開発・ダッシュボード構築・人材育成など、
あらゆる面から支援します。

primeNumberへ自社のデータ活用を相談する

TROCCO® ライター

TROCCO®ブログの記事ライター データマネジメント関連、TROCCO®の活用記事などを広めていきます!